天使祝詞(アウェ・マリア、アヴェ・マリア)
AVE MARIA, Je vous salue, Marie




(上) Fra Angelico, "La Anunciación" (details), c. 1435, témpera sobre tabla, 194 x 194 cm, Museo del Prado, Madrid


 天使祝詞(てんししゅくし)はロザリオで唱える祈りで、ラテン語ではアウェ・マリア(アヴェ・マリア)と呼ばれ、起源を五世紀頃に遡ります。内容は次の通りです。


    ラテン語 イタリア語 フランス語 スペイン語
    AVE MARIA, GRATIA PLENA,
DOMINUS TECUM.
BENEDICTA TU IN MULIERIBUS.
ET BENEDICTUS FRUCTUS VENTRIS TUI JESUS.

SANCTA MARIA MATER DEI,
ORA PRO NOBIS PECCATORIBUS,
NUNC ET IN HORA MORTIS NOSTRAE.
AMEN
Ave, o Maria, piena di grazia,
il Signore è con te.
Tu sei benedetta tra le donne
e benedetto è il frutto del tuo seno, Gesù.

Santa Maria, Madre di Dio,
prega per noi peccatori,
adesso e nell'ora della nostra morte.
Amen.
Je vous salue, Marie pleine de grâce;
Le Seigneur est avec vous.
Vous êtes bénie entre toutes les femmes.
Et Jésus, le fruit de vos entrailles, est béni.

Sainte Marie, Mère de Dieu,
Priez pour nous, pauvres pécheurs,
Maintenant, et à l'heure de notre mort.
Amen.
Dios te salve María, llena eres de gracia,
el Señor es contigo;
bendita tú eres entre todas las mujeres,
y bendito es el fruto de tu vientre, Jesús.

Santa María, Madre de Dios
ruega por nosotros, pecadores,
ahora y en la hora de nuestra muerte.
Amén.
    . . .
    .
    ギリシア語 どちりなきりしたん 上田敏による文語訳 現代語訳
    Χαῖρε Μαρία κεχαριτωμένη,
ὁ Κύριος μετά σοῦ,
Ἐυλογημένη σὺ ἐν γυναιξὶ,
καὶ εὐλογημένος
 ὁ καρπὸς τῆς κοιλίας σοῦ Ἰησούς.

Ἁγία Μαρία, μῆτερ θεοῦ,
πρoσεύχoυ/πρέσβευε
 ὑπέρ ἡμῶν τῶν ἁμαρτωλῶν,
νῦν καὶ ἐν τῇ ὥρᾳ τοῦ θανάτου ἡμῶν.
Ἀμήν.
がらさみちみち玉ふ
 まりあに御れいをなし奉る
御あるじは御みもとにまします
にょにんの中にをひて
 わきて御くはほういみじきなり
又御たいないの御みにてまします
 ぜずすはたつとくまします

でうすの御ははさんたまりあ
いまもわれらがさいごにも
われらあくにんのためにたのみたまへ
あめん
めでたし 聖寵充ち満てるマリア、
主御身とともにまします。
御身は女のうちにて祝せられ、
御胎内の御子イエズスも祝せられたまふ。

天主の御母聖マリア、
罪人なるわれらのために、
今も臨終のときも祈り給へ。
アーメン。
アヴェ・マリア、恵みに満ちた方、
主はあなたとともにおられます。
あなたは女のうちで祝福され、
ご胎内の御子イエスも祝福されています。

神の母聖マリア、
罪深いわたしたちのために、
今も、死を迎える時も祈ってください。
アーメン。


 天使祝詞の内容は前半と後半に分かれています。前半はより古くからある部分で、マリアに対する賛美となっています。後半は十四世紀末に付加された部分で、マリアに対する祈願となっています。天使祝詞の歴史的発展については、別稿ロザリオの歴史で解説しました。

 現在行われている天使祝詞の前半と後半について、それぞれ概説いたします。



《「天使祝詞」の前半部分 - AVE MARIA, GRATIA PLENA, DOMINUS TECUM. BENEDICTA TU IN MULIERIBUS. ET BENEDICTUS FRUCTUS VENTRIS TUI JESUS.》

 天使祝詞の前半について詳しく見ると、「アヴェ・マリア、恵みに満ちた方、主はあなたとともにおられます。」との呼びかけは、「ルカによる福音書」 1章26節から38節に記録されている受胎告知に基づいています。 該当箇所を下に示します。


【「ルカによる福音書」 1: 26 - 38 新共同訳】

 六か月目に、天使ガブリエルは、ナザレというガリラヤの町に神から遣わされた。ダビデ家のヨセフという人のいいなずけであるおとめのところに遣わされたのである。そのおとめの名はマリアといった。
 天使は、彼女のところに来て言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」マリアはこの言葉に戸惑い、いったいこの挨拶は何のことかと考え込んだ。すると、天使は言った。「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた。あなたは身ごもって男の子を産むが、その子をイエスと名付けなさい。その子は偉大な人になり、いと高き方の子と言われる。神である主は、彼に父ダビデの王座をくださる。彼は永遠にヤコブの家を治め、その支配は終わることがない。」
 マリアは天使に言った。「どうして、そのようなことがありえましょうか。わたしは男の人を知りませんのに。」天使は答えた。「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる。あなたの親類のエリサベトも、年をとっているが、男の子を身ごもっている。不妊の女と言われていたのに、もう六か月になっている。神にできないことは何一つない。」
 マリアは言った。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」そこで、天使は去って行った。



 天使祝詞はラテン語でアウェ・マリアですが、アウェまたはアヴェ(AVE) は、新共同訳では「おめでとう」と訳されています。ルカ伝1章28節、「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる。」(ラテン語 "AVE, GRATIA PLENA. DOMINUS TECUM.")に、マリア、という呼びかけを挿入したものが、天使祝詞の冒頭となっていることがわかります(註1)。

 ところでガブリエルがマリアに向けて発した冒頭の言葉「おめでとう」(アヴェ)は単なる挨拶ではなく、子供を授かるという個人的な幸福に恵まれたマリアへのお祝いの言葉でもありません。ガブリエルの「おめでとう」は、生まれてくる子供がメシア(救い主)であることを宣言する言葉なのです。このことは受胎告知に関する解説ページに書きましたのでご参照ください。


 これに続く「あなたは女のうちで祝福され、ご胎内の御子イエスも祝福されています。」は、ルカによる福音書 1章39節から44節に記録されている「聖母のエリサベトご訪問」の記述に基づいています。(註2) 該当箇所を下に示します。

【「ルカによる福音書」 1: 39 - 44 新共同訳】

 そのころ、マリアは出かけて、急いで山里に向かい、ユダの町に行った。そして、ザカリアの家に入ってエリサベトに挨拶した。マリアの挨拶をエリサベトが聞いたとき、その胎内の子がおどった。エリサベトは聖霊に満たされて、声高らかに言った。「あなたは女の中で祝福された方です。胎内のお子さまも祝福されています。わたしの主のお母さまがわたしのところに来てくださるとは、どういうわけでしょう。あなたの挨拶のお声をわたしが耳にしたとき、胎内の子は喜んでおどりました。主がおっしゃったことは必ず実現すると信じた方は、なんと幸いでしょう。」


(下) Domenico Ghirlandaio, La Visitation, c. 1491, tempera sur bois, 172 x 165 cm, Musée de Louvre




 以上で見たように、天使の挨拶(天使祝詞の前半)は福音書に基づく古い部分であり、東方教会及び西方教会において古い時代から典礼に取り入れられてきました。しかるに社会全体に広まったのは比較的遅く、十一世紀頃と考えられています。

 1266年のドミニコ会総会で、日々の聖務日課において、「主の祈り」と同じ回数の「天使の挨拶」を唱えるべき事が定められました。ドミニコ会士であった聖トマス・アクィナス (Thomas Aquinas, c. 1225 - 1274) は、「天使の挨拶」に関する註解を著しています。ベネディクト会の修道女であったヘルフタの聖ゲルトルード (Hl. Gertrud von Helfta, Gertrude die Grosse, 1256 - 1302) は、受胎告知の祝日の朝課でインヴィタトリウム(「詩篇」94篇)を唱えているときに、父、子、聖霊に発する三つの激流を幻視しました。その三本の流れは「天使祝詞」が唱えられるごとに聖母の心臓の隅々にまで流れ込み、次いで三位一体の神へと還流します。そのたびに、「天使祝詞」を唱える人々の心は、受肉のミステリウムによってもたらされた恩寵に満たされるのでした。この聖ゲルトルードの幻視は、本来聖母への賛美であった「天使祝詞」の前半が、恩寵を祈願する後半部分へとつながる過程を示しています。

 このウェブページの最上部にあるフラ・アンジェリコの祭壇画「受胎告知」は、大きな画面の下部に、五つの小画面が並置されたプレデッラ(predella イタリア語で「基底」の意)がありますが、上部の大きな祭壇画とプレデッラの間に、天使の挨拶が書き込まれています。







《「天使祝詞」の後半部分 - SANCTA MARIA MATER DEI, ORA PRO NOBIS PECCATORIBUS, NUNC ET IN HORA MORTIS NOSTRAE. AMEN.》

 天使祝詞の後半は後の時代に付加されたもので、マリアに神の母と呼びかけ、執り成しを求める祈願文となっています。

 神の母、ラテン語でデイー・ゲニトリクス(DEI GENITRIX 神を産んだ女性)、ギリシア語でテオトコス(Θεοτόκος 神を産んだ人・女性)というのは聖母マリアの称号の一つです。人間であるマリアが、永遠の絶対的存在者(何物にも依存しない存在者、必然的存在者)である神の「母」と呼ばれるのは不思議に思えますが、これは431年のエフェソス公会議で正統教義に則っていると承認された表現で、マリアから生まれたイエズス・キリストにおいて、神と人の二性が「相離れず、混合せず、三位一体の第二のペルソナにおいて一致する」というカトリックのキリスト論に関係します。

 ヨーロッパのいくつかの地域において天使祝詞が後半部分も含めて唱えられるようになるのは、十四世紀の終わり頃です。三位一体修道会 (Ordo Sanctissimae Trinitatis redemptionis captivorum, OSST) においては1514年、フランシスコ会においては 1525年、シャルトルー会 (Ordo Cartusiensis, L'ordre des Chartreux) においては1562年に聖務日課書に採用され、次いで教皇ピウス五世 (Pius V, 1504 - 1566 - 1572) による1568年の聖務日課書に導入されました。





フランツ・シューベルトの「アヴェ・マリア」

 天使祝詞に曲を付けた「アヴェ・マリア」は多くの音楽家が作曲しており、「グノーのアヴェ・マリア」と「シューベルトのアヴェ・マリア」が特に有名です。

 「グノーのアヴェ・マリア」は、ヨハン・セバスティアン・バッハの「平均律クラヴィーア曲集第一巻」の「プレリュード第一番ハ長調」("das Präludium Nr. 1 in C-dur", BWV 846) に基づいて、十九世紀フランスの作曲家シャルル・グノー (Charles François Gounod, 1818 - 1893) が「バッハのプレリュード第一番による瞑想曲」("la Méditation sur le premier prélude de Bach", 1852) を作曲し、この曲に天使祝詞を歌詞として合わせたものです。グノーの作品は、当初、歌詞の無い器楽曲でしたが、1859年にラテン語の天使祝詞が歌詞として付けられ、「グノーのアヴェ・マリア」として知られるようになりました。


 「シューベルトのアヴェ・マリア」もラテン語の天使祝詞に合わせて歌われることが多くありますが、こちらは本来「エレンス・ドリッター・ゲザンク」(独 "Ellens dritter Gesang" エレンの第三歌)と呼ばれるクンストリート(Kunstlied 歌曲)であり、もともとまったく別の歌詞を有します。

 「エレンス・ドリッター・ゲザンク」は、ウォルター・スコットの叙事詩「湖上の麗人」("The Lady of the Lake", 1810) に基づく作品で、スコットランド高地の権力者の闘争に巻き込まれ、父と一緒に湖の近くの洞窟に隠れている乙女エレン・ダグラスが歌う歌のひとつです。「エレンス・ドリッター・ゲザンク」は、歌曲集「リーダーツィクルス・フォム・フロイライン・フォム・ゼェ」(独 "Liederzyklus vom Fräulein vom See", 1825 『湖上の麗人』の歌曲集)に収録されています。




(上) Howard Chandler Christy, "Ellen Douglas", a book plate from Sir Walter Scott, "Lady of the Lake", Bobbs-Merrill Co., Indianapolis, IN, 1910 当店の商品です。


 ドイツ語の歌詞は、ウォルター・スコットによる英語の詩を、歴史家アダム・シュトルク (Philip Adam Storck, 1780 - 1822) が独訳したものです。ウォルター・スコットの原詞とシュトルクのドイツ語訳を比べると、美しい韻文に訳すという制約があるために、大意は同じであっても、細部においてはかなりの違いが生じています。

 英語の原詞、ドイツ語の歌詞、日本語訳を下に示します。日本語訳は私(広川)がドイツ語から訳したもので、文章の詩的な美しさよりも、ドイツ語の意味をできるだけ正確に日本語に移すことを優先しました。


    Ave, Maria! maiden mild!
Oh listen to a maiden’s prayer;
For thou canst hear tho' from the wild,
And Thou canst save amid despair.
Safe may we sleep beneath thy care
Tho' banish'd outcast and reviled,
Oh, Maiden hear a maiden’s prayer.
Oh Mother, hear a suppliant child!
Ave Maria!
   Ave Maria! Jungfrau mild,
Erhöre einer Jungfrau Flehen
Aus diesem Felsen starr und wild
Soll mein Gebet zu dir hinwehen.
Wir schlafen sicher bis zum Morgen,
ob Menschen noch so grausam sind.
O Jungfrau, sieh der Jungfrau Sorgen,
O Mutter, hör' ein bittend Kind!
Ave Maria!
   マリアさま。優しき乙女よ。
ひとりの乙女の切なる願いを聴き容れたまえ。
荒涼として人影も無い、岩だらけのこの荒地から、
私の祈りが、御許(みもと)へと立ち昇りますように。
たとえ人々が残忍であろうとも、
私たちは朝まで安らかに眠ります。
聖母さま、乙女の不安をご覧ください。
御母さま、ひとりの子供の願いを聴いてください。
マリアさま。
     
    Ave, Maria! undefiled!
The flinty couch we now must share,
Shall seem with down of eider piled
If Thy protection hover there.
The murky cavern’s heavy air
Shall breath of Balm if thou hast smiled;
Then, Maiden hear a maiden’s prayer.
Oh Mother, hear a suppliant child!
Ave Maria!
Ave Maria! Unbefleckt!
Wenn wir auf diesen Fels hinsinken
zum Schlaf, und uns dein Schutz bedeckt
Wird weich der harte Fels uns dünken.
Du lächelst, Rosendüfte wehen
in dieser dumpfen Felsenkluft,
O Mutter, höre Kindes Flehen,
O Jungfrau, eine Jungfrau ruft!
Ave Maria!
マリアさま。汚れ無き御方よ。
この岩陰で眠るとき、
私たちはあなたの加護に包まれます。
硬い岩も柔らかくなるように思えます。
御身が微笑みたまえば、息苦しいこの岩窟にも
薔薇の香りが漂います。
御母よ。子供の切なる願いを聴きたまえ。
聖母さま。ひとりの乙女の呼びかけを聴きたまえ。
マリアさま。
     
    Ave, Maria! stainless-styled!
Foul demons of the earth and air,
From this their wonted haunt exiled,
Shall flee before thy presence fair.
We bow us to our lot of care
Beneath Thy guidance reconciled,
Hear for a maid a maiden’s prayer;
And for a father bear a child!
Ave Maria!
Ave Maria! Reine Magd!
Der Erde und der Luft Dämonen
von deines Auges Huld verjagt.
Sie können hier nicht bei uns wohnen,
Wir woll'n uns still dem Schicksal beugen,
Da uns dein heil'ger Trost anweht;
Der Jungfrau wolle hold dich neigen,
Dem Kind, das für den Vater fleht.
Ave Maria!
マリアさま。清き乙女よ。
地と空中の悪霊どもは
御身の眼差しから逃れるところを探します。
彼らはこの地上で私たちのそばに住まうことができません。
私たちは運命をじっと耐え忍びます。
すると御身から聖なる慰めが吹き寄せるのです。
祈る乙女の方に、
父のために切に祈る子供の方に、優しく身を傾けたまえ。
マリアさま。


 シュトルクによるドイツ語の詞では、動詞ヴェーエン(wehen) が三箇所に使われています。動詞ヴェーエンは「(風が)吹く)」「(声などが)風に乗って伝わる」という意味で、名詞ヴィント(Wind 風)と同根です。

 ところでちょうど古典ギリシア語でパーティクル(particles 小辞)が発達しているように、ドイツ語では動詞の前綴りが発達していて、さまざまなニュアンスを動詞に与えます。第一スタンザでは、「私の祈りが、御許(みもと)へと立ち昇りますように」(Soll mein Gebet zu dir hinwehen.) という部分でヒンヴェーエン(hinwehen 向こうへと吹いてゆく、風に乗って行く)という語が使われています。また第三スタンザでは、「すると御身から聖なる慰めが吹き寄せるのです」(Da uns dein heil'ger Trost anweht) という部分でアンヴェート(anweht 風に乗って運ばれてきたものが付着する)という語が使われています。

 三つのヴェーエンを英語の原詞と比べると、スコットの原詞では風を連想させる語を使ってはおらず、動詞ヴェーエンを効果的に使ったドイツ語訳はアダム・シュトルクの独創であることがわかります。厳しい気候のスコットランド高地で、風に運ばれて聞こえてくるエレンの歌声に、いかにもぴったりの名訳です。



註1 ナザレの受胎告知教会の地下にあるグロット(岩窟)に、三世紀のものと考えられる「カイレ、マリア」(ΧΕ ΜΑΡΙΑ) の文字が刻まれており、ガブリエルの言葉に「マリア」の名を挿入した最初期の例とされています。"ΧΕ ΜΑΡΙΑ" は "Χαῖρε Μαρία"(羅 AVE MARIA)の意味で、"ΧΕ" の上にティルド (~) が書かれています。ティルドは中間の文字が省略されていることを示します。

註2 ただし「ヤコブ原福音書」("protoevangelium Jacobi") において、「汝は女の中で祝福されしもの」は天使の言葉とされています(11章1節)。またアッシリアの護教論者タティアヌス (Tatianus Syrianus, c. 120 - 180) は「ディアテッサロン Diatessaron」("διὰ τεσσάρων", c. 170) において、テルトゥリアヌス (Quintus Septimius Florens Tertullianus, c. 160 - c. 220) は「乙女がヴェールを被るべきことについて」("De velandis Virginibus") において、同じ意見を述べています。カイサレアのエウセビオス (Eusebius Pamphili Caesariensis, c. 263 - 339) や聖アンブロシウス (Aurelius Ambrosius, c. 340 - 397) も、この意見を支持しています。



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