丁寧な筆致の手描きエマイユ 《マリアの汚れなき御心 直径 100ミリメートル》 正統的図像表現によるフランスならではの作品 1900 - 1930年代



 フランスで制作されたエマイユ・パン(仏 l'émail peint 手描き七宝画)。伝統的意匠に基づいて、神とキリストを愛する聖母を描きます。





 エマイユのサポート(下地)となる金属を、胎(たい)と呼びます。本品の胎は円形の銅板で、中央に向けて緩やかなドーム状に盛り上がり、ちょうど時計皿を伏せた形になっています。胎は白色不透明のエマイユを施した上に、たいへん丁寧なエマイユ画によって聖母の姿を表現しています。聖母像は完全な手描きですが、たいへん滑らかな筆致で、聖母の肌に筆の跡はほとんど見えません。聖母の頭髪は焦げ茶のフリット(仏 fritte ガラス粉末)により、波打つ髪が一本ずつ描き込まれています。





 聖母の胸には剣に貫かれつつ愛の炎を噴き上げる心臓が見えます。

 古来心臓は生命と愛の座とされてきました。聖母の心臓が噴き上げる愛の炎は、キリストの聖心から燃え移った火です。すなわちトマス・アクィナスがセラフィム(熾天使)について論じているように、愛の火は周囲にあるものに熱を伝え、燃え移って浄化し、その熱を上方すなわち神に向かわせます。それと同様に、神とキリストに愛され選ばれたマリアの汚れなき心臓は、神の愛によって点火され、神とキリストに向かって燃え上がります。





 マリアの心臓を取り巻く薔薇の花環はロザリオを表します。ロザリオの薔薇はを持たないロサ・ミスティカすなわち聖母自身を表すとともに、天使の挨拶を受けて救いを受け入れたメシアの母の類稀なる信仰を可視化しています。マリアの心臓を貫く剣は、マリアがマーテル・ドローローサでもあることを示しています。





 上の写真は本品を男性店主の手に載せて撮影しています。女性が本品の実物をご覧になれば、写真で見るよりもひと回り大きなサイズに感じられます。





 本品はおよそ百年前のフランスで制作された真正のアンティーク品ですが、保存状態はきわめて良好です。エマイユはほぼ無疵(むきず)であり、銅板の変形等、特筆すべき瑕疵(欠点)は何もありません。本品には上の写真に写っている展示台(小さな皿立て)が無料で附属します。





本体価格 38,000円 展示台付き

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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