聖心
le Sacré-Cœur de Jésus, The Sacred Heart of Jesus




(上) アンティーク・メダルに見られるイエズスの聖心 当店の商品です。


 聖心とは人類に対する神の愛の象徴としてのイエズス・キリストの心臓のことです。聖心に対する信心は地上の生を送るイエズスに対して為された不正への償いであり、イエズスに対する愛と崇敬が強調されます。

 近代的な形の聖心への信心はマルグリット・マリ (Margueritte Marie Alacoque, 1647 - 1690) に始まり、圧倒的にローマ・カトリックのものですが、イギリス国教会の一部やルーテル教会の一部、また東方カトリックにおいてもみられます。東方カトリックにおける聖心の信心はラテン典礼化の例といえます。

 キリスト教図像において、イエズスの聖心は愛の炎に輝く心臓として表されます。心臓には槍の傷があり、いばらの冠で取り巻かれて血を滴らせています。また上部には十字架が載っています。


聖心に対する信心の歴史

・前史

 歴史的資料において聖心に対する信心が最初に確認できるのは 11~12世紀頃で、16世紀頃には広く知られていましたが、個人的信心を超えるものではありませんでした。

 聖心の祝日が最初に教会的規模で祝われたのは 1670年で、これは聖ジャン・ユード (Jean Eudes, 1601 - 1680) の功績です。聖ユードは聖母マリアの汚れなき御心への信心で知られますが、イエズスの聖心への信心がここから徐々に分離して、独立して祝われるようになったのです。

 ユード修道会に始まったイエズスの聖心への信心はマルグリット・マリに始まる聖心への信心と徐々に融合してゆきました。


・マルグリット・マリの幻視と、聖心への信心の広がり

 1673年12月27日から18ヶ月間に亙って、修道女マルグリット・マリはたびたびイエズスの幻視を体験し、そのなかで聖心に対する信心をイエズスから直接教わりました。

 1673年12月27日、イエズスはマルグリット・マリの頭を自身の胸に付けさせて、イエズスの驚くべき愛について語り、この愛を全ての人に伝えるためにあなたを選んだのだとマルグリット・マリに語りかけました。

 1674年6月あるいは7月の出現の際、イエズスは心臓の絵によって崇敬されることを求め、また不正の償いとしての愛の信心、聖体の頻繁な拝領、および聖体の前での祈りを求めました。

 1675年6月16日の「大いなる出現」の際、イエズスは「かくも人を愛したる心臓を見よ。ほとんどの人間から、わたしは感謝ではなく、ただ忘恩のみを受けている。」と語り、マルグリット・マリに不正の償いの祝日を祝うように、そのことを長上に相談するように命じました。

(下) 聖心のイエズス マルグリット・マリの幻視  当店の商品です。(販売済)




 マルグリット・マリの幻視にもかかわらず、聖心への信心は当面の間修道院内部でしか行われていませんでしたが、1720年にマルセイユで腺ペストが流行したときに市民の間で崇敬が始まって以来、聖心への信心は南フランス各地に広まりました。



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