エミール・ドロプシ作 「ロサ・ミスティカ 神秘の薔薇」 ブロンズと大理石によるマリアのオラトワール 90 x 84 mm


オラトワール全体のサイズ 縦 90 x 横 84 mm  重量 255 g

突出部分を含めたオラトワールの厚み 20 mm  脚を完全に展開したときの奥行 7 cm

メダイユの直径 56.1 mm

大理石部分のサイズ 縦 85 x 横 80 x 厚み 10 mm


フランス  19世紀後半



 19世紀後半のフランスで制作された聖母のオラトワール。折り畳み式の脚を付けたブロンズの板に、薄緑の半透明大理石を取り付け、打ち出し技法による円形メダイの台座としています。円形メダイの下には古典様式の銘板が取り付けられていますが、何も彫られず未使用の状態です。





 メダイには、若きマリアの柔和な横顔を浮き彫りで表します。天使ガブリエルから受胎を告知されたマリアは、ごく若い少女であったにもかかわらず、「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」と答えてすべてを神に委ねました。救い主を産むという大任を告げられたマリアの表情には、神への信頼が読み取れます。

 若き聖母を囲んで、「ロサ・ミスティカ」(ROSA MYSTICA) と書かれています。「ロサ・ミスティカ」とはロレトの連祷にあるマリアの称号の一つで、ラテン語で「神秘の薔薇」、「奇(くす)しき薔薇」という意味です。5世紀のラテン詩人セドゥーリウスが「カルメン・パスカーレ」("CARMEN PASCHALE" ) で歌ったように、棘のある繁みから生え出でつつも傷つくことなく美しい薔薇の花は、人祖の妻エヴァと同じく女性でありながらも、エヴァの罪に傷つくことがない無原罪の御宿り、すなわちマリアの象徴です。

 高名なメダイユ彫刻家ジャン=バティスト・エミール・ドロプシ (Jean-Baptiste Emile Dropsy, 1848 - 1923) のサイン (E. Dropsy) が、聖母の右肩の上あたりに刻まれています。





 本品は後ろの脚で支えて自立させることができます。大理石の厚さ 10ミリメートル、全体の重量 255グラムという立派なサイズの品物ですが、自立時はしっかりと安定しています。脚を完全に展開した場合の奥行は 7センチメートルです。





 本品は百数十年前のフランスで制作された真正のアンティーク品ですが、古い年代にもかかわらず良好な保存状態です。メダイユの右端に径5ミリメートルの酸化が見られます。大理石の縁に数か所のフリーバイト(小さな欠損)があります。重大な瑕疵(かし 欠点)は何もありません。

 写真では美しさがよくわかりませんが、メダイユは突出部分の金めっきが薄くなり、あたかも天上の光がマリアを照らすかのように見えます。メダイユ制作者の意図を離れて生まれたこのような美しさは、経年によってのみ獲得されうるアンティーク品ならではの美といえましょう。

 オラトワールの実物は写真よりもずっと美しく、必ずご満足いただけます。





本体価格 28,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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