十二の星のクーロンヌ(十二の星のロザリオ)
couronnes des douze étoiles


 十二の星のクーロンヌは、十二回の天使祝詞を唱えるのにメルセス会(羅 ORDO BEATÆ MARIÆ VIRGINIS DE REDEMPTIONE CAPTIVORUM, O de M).で考案されました。エスコラピオス会(羅 ORDO CLERICORUM REGLARIUM PAUPERUM MATRIS DEI SCHOLARUM PIARUM, Sch. P.)の創設者、聖ホセ・デ・カラサンス(S. Jose de Calasanz, 1557 - 1648)は、十二回の天使祝詞に加えて三回の主の祈りを唱えるためにこの信心具を使用することを奨励し、十二個であったビーズの数が十五個に増やされました。エスコラピオス会では祈りの最後にサルウェー・レーギーナ(サルヴェ・レジーナ)一回が唱えられます。

 主祷文用にビーズ三個を加えた十二の星のクーロンヌは、その後メルセス会によってエスコラピオス会から再導入されました。最後のサルウェー・レーギーナは、メルセス会においてサルーターテに置き換えられました。サルーターテはアンティフォナ(希 ἀντίϕωνα 交唱、二つの集団が交互に唱える祈祷)のひとつで、内容は次の通りです。和訳は筆者(広川)によります。

     Salutate Mariam, quæ multum laboravit in vobis, et dicite,    マリアは汝らのうちにて労し給へり。汝らマリアに挨拶を送りて言ふべし。
       Ave clementiæ Mater, consolatrix afflictorum, Redemptrix captivorum.    めでたし、優しく赦し給ふ御母。悩み苦しむ者どもを慰め、囚われたる者どもを救い給ふ御方。
       Tu gloria Jerusalem, tu lætitia Israel, tu honorificantia populi nostri.    御身はエルサレムの栄えなり。イスラエルの歓びなり。我らが民の誉れなり、と。
     Alleluia.    ハレルヤ。

 サールターテの最後の句は「ユディト書」十五章九節に基づきます。「民の誉れ」(羅 HONORIFICENTIA POPULI)という句は、無原罪の御宿りへの祈りであるトータ・プルクラ・エス(羅 TOTA PULCHRA ES 御身はすべてが美しくあり給う)にも引用されており、クーロンヌ末端の不思議のメダイとよく調和しています。


 Sandro Botticelli, "La Madonna del Magnificat" (details), 1481, tempera su tavola, 118 x 118 cm, Galleria degli Uffizi, Firenze


 クーロンヌ(couronne) は冠を意味するフランス語です。「ヨハネの黙示録」十二章一節の記述に基づき、聖母マリアは十二の星の冠を被って図像に表されます。十二の星のクーロンヌは、この冠を象(かたど)っています。

 教皇ピウス九世は、1856年、十二の星のクーロンヌに贖宥を認めました。



 十二の星のクーロンヌ 貝製ビーズ ブロンズ製不思議のメダイ 1870 - 90年代頃 販売終了 SOLD

 十二の星のクーロンヌ 「マリアの庇護の下に」 不思議のメダイと貝製ビーズ 19世紀後半 販売終了 SOLD

 十二の星のクーロンヌ 木製ビーズ ブロンズ製不思議のメダイ 19世紀後半から20世紀初頭 販売終了 SOLD

 小さな十二の星のクーロンヌ ミルク・グラス製ビーズ ブロンズ製不思議のメダイ 販売終了 SOLD

 極稀少品 アール・ヌーヴォー期の「十二の星のクーロンヌ」 パート・ド・ヴェールによる作例 全長 11.8センチメートル フランス 19世紀末から20世紀初頭 販売終了 SOLD

 パート・ド・ヴェールによる《十二の星のクーロンヌ》 不思議のメダイと白いビーズ 全長 13.5センチメートル フランス 十九世紀末から二十世紀初頭 販売終了 SOLD

 パート・ド・ヴェールの柔らかな煌めき 《十二の星のクーロンヌ 全長 13センチメートル》 銀色の不思議のメダイ サーモンがかった明るいオレンジのビーズ フランス 十九世紀末から二十世紀初頭




聖母のロザリオとシャプレ 商品種別表示インデックスに戻る

聖母のロザリオとシャプレ 一覧表示インデックスに戻る


ロザリオとシャプレ 商品種別表示インデックスに移動する


キリスト教関連品 商品種別表示インデックスに移動する



アンティークアナスタシア ウェブサイトのトップページに移動する




Ἀναστασία ἡ Οὐτοπία τῶν αἰλούρων ANASTASIA KOBENSIS, ANTIQUARUM RERUM LOCUS NON INVENIENDUS