高級品 フィルマン・ピエール・ラセールによる美麗メダイ付 《幼きイエスの聖テレジア 愛と遜りのブレスレット型シャプレ》 細密ファセットの青色クリスタル・ガラス製ビーズ 有効長 17.5 cm フランス 1940 - 50年代


ブレスレットを閉じたときのサイズ 17.5 cm

全長 21 cm


テレーズのメダイの直径 13.5 mm (突出部分を除く)

小さいメダイの直径 11.0 mm (突出部分を除く)


ビーズの直径 6 mm


フランス  1940 - 50年代



 コミュニオン・ソラネルを受ける少女のためのブレスレット型ロザリオ。ブレスレット型ロザリオには一連のものと二連のものがありますが、これは二連のタイプで、二枚のメダイと二十二個のビーズで構成されています。初聖体のブレスレットは子供用の短いサイズである場合が多いですが、本品の有効長、すなわちブレスレットとして手首に装着した時に環状になる部分の長さはおよそ 17.5 センチメートルで、大人が使っても余裕があります。





 大きなメダイは一方の面にリジューの聖テレーズの上半身が浮き彫りにされています。クルシフィクスを抱くテレーズの胸からは、愛を象徴する薔薇が咲きこぼれています。聖女の周囲にはラテン語で「幼きイエスの聖テレジア」(羅 SANCTA THERESIA A IESU INFANTE)と書かれています。

 テレーズのメダイは淡い金色ですが、上部に突出した環状部分に純度八百パーミル(800/1000)の銀を示す検質印があり、ヴェルメイユ製品であることが分かります。純度八百パーミルの銀は、フランスの信心具に使用される最高の材質です。ヴェルメイユによる聖テレーズのメダイを両親から贈られた少女は、きっとテレーズという名前だったのでしょう。


 コミュニオン・ソラネルはフランスの子供が迎える大人への第一歩であり、これまで過ごしてきた十二年の人生で最も晴れがましい機会です。本品を身に着けた少女も大人のようなウェディング・ドレスとヴェールを身に着け、長手袋をはめ、綺麗な靴を履き、銀無垢のメダイユ付きシャプレ(本品)を手首に着けて、人々から祝福を受けつつ厳粛な式に臨みました。その胸中は如何に誇らしかったことでしょうか。

 しかしながらコミュニオン・ソラネルは大人として生きる人生の到達点ではなく、出発点です。年齢も性別も職業も階層も異なる大勢の人々の中で、社会の一員として責任を果たすためには、神と隣人を愛する人間とならねばなりません。慢心を排して常に愛し遜(へりくだ)ることこそが、祝福された人生への鍵なのです。リジューのテレーズは「全能の神が、か弱き幼子となり給うた」という空前絶後のミステリウムに心を打たれ、神が示し給うた愛と遜りに倣うために、「幼きイエスの聖テレジア」を修道名にしました。本品が「幼きイエスの聖テレジア」をテーマにしていることは決して偶然ではなく、そこには少女の両親の祈りと願いが籠めれています。娘がテレーズと同様に愛と遜りに生き、大人としての人生を歩むことを、少女の両親は願ったのです。





 聖テレーズのメダイの裏面には十字架から愛が発散し、「私は地上に善を為すために天での時を過ごしましょう」(仏 Je veux passer mon ciel à faire du bien sur la terre.)という聖女の言葉が周囲を取り巻いています。十字架から発散する愛は、放射状の光輝、及び十字架から発出する香(かぐわ)しい薔薇の花として可視化されています。





 もう一枚のメダイはブレスレットの中ほどにあって、透き通るような薄絹のヴェールを被った少女マリア、若き聖母の横顔が、柔らかなタッチの浮き彫りで表されています。未婚の少女マリアは、自身の懐妊を天使から告げられるという驚くべき出来事を経験し、目を閉じて、ひとり想いに耽っています。天使が家の中に突然入ってきて、「喜びなさい、女よ、あなたから救い主が生まれます」と告げられたわけですから、本品を身に着ける少女と大して歳が違わない少女の心にはさまざまな想いが巡りますが、マリアはアブラハムやヨブにも勝り、救い主の母となるべく神の眼に適(かな)った信仰により、心を落ち着けて神と対話しています。

 マリアの左肩の後ろ、メダイの縁に近い部分に、フィルマン・ピエール・ラセールの署名(F. LASSERRE)が刻まれています。フィルマン・ピエール・ラセール(Firmin Pierre Lasserre, 1870 - 1943)は 1870年6月6日、ピレネーの西端近くの小村バロート=カミュ(Barraute-Camu アキテーヌ地域圏ピレネー=アトランティック県)に生まれました。画家、彫刻家でもあったメダイユ彫刻家エメ・ミレ (Aimé Millet, 1819 - 1891)、及び画家アルベール・ブレオテ(Albert Bréauté, 1853 - 1939)に師事しています。サロン展では 1921年に銅メダル、1923年に銀メダル、1927年に金メダルを受賞しています。またレジオン・ドヌール章シュヴァリエを贈られています。





 メダイの裏面には三輪の白百合が咲いています。

 百合はその香気によって「聖徳と純潔」を象徴するとともに、「花嫁として神に選ばれた身分」「神に委ねる信仰」をも表します。また白百合は聖母マリアの花ですから、聖母の加護を象徴します。本品メダイに刻まれた百合は三輪であることにより、信・望・愛の三元徳、及び三位一体の神の祝福をも表しています。





 本品のビーズは透明度が高い青色ガラス製で、きらきらと美しく輝きます。ガラスの青色はエマイユの青色と同様に聖母の色であり、フランスの色でもあります。また聖テレーズのメダイは地上に生きるキリスト者の愛を主題にしていますが、片やビーズの青は天上の色であり、智慧を象徴する色でもあります。一つの小さなブレスレットのうちに愛と智慧、地上界と天上界が集約され、豊かなメッセージ性を有するミクロコスモス(小宇宙)のような一点に仕上がっています。


 本品のビーズを一見したところ、隣接するファセット(小面)間の稜線が多少の丸みを帯び、型に流し込んでカットガラス風に作ったもののように見えます。しかしながらルーペで観察すると、ビーズはすべて手作業でカットされていることがわかります。ファセットの縁が丸みを帯びて見えるのは、極めて多数の微小なファセットを形成することにより、ビーズが球面に近くなっているからです。

 本品のガラスは、カットに適したクリスタル・ガラス(鉛ガラス)です。クリスタル・ガラスは屈折率が大きく、キラキラと輝いて綺麗ですが、軟らかく瑕がつきやすい特性があります。衝撃にも弱いので、カット・クリスタル製ビーズの表面には、細かい瑕やフリーバイト(英 fleabites 微小な断口)が生じがちです。しかしながら本品はファセットの数が非常に多く、ビーズの表面が球面に近い滑らかさを有するゆえに瑕が生じません。





 上の写真は本品を男性店主の手に乗せて撮影しています。女性が本品の実物をご覧になれば、写真で見るよりもひと回り大きなサイズに感じられます。





 ほとんどのブレスレット型ロザリオにおいて、メダイとチェーンは銀色です。しかるに本品は最初のメダイが淡い金色で、青色ビーズにたいへん美しく映えています。ブレスレット全体のサイズは長めで、大人の手首周りにも対応しますが、ビーズは直径六ミリメートルと小さめで、チェーンも細めであり、華奢(きゃしゃ)で上品な印象です。細密浮き彫りによって美しい少女像を表した二点の小メダイと美しい青色ガラスの組み合わせは、フランスの美術工芸品ならではの薫りを放っています。

 本品は数十年前のフランスで制作されたアンティーク品であり、小さくとも美術品と呼べる水準の本格的な出来栄えは、現代の量産品と一線を画します。古い年代にもかかわらず、本品の保存状態は極めて良好で、特筆すべき問題は何もありません。ガラス製ビーズはすべて揃っており、どの珠にも罅(ひび)や欠けはありません。メダイにも摩滅は認められません。チェーンの状態も新品時と変わらず、強度に問題はありません。


 当店の商品は現金一括払い、ご来店時のクレジットカード払いのほか、現金の分割払い(二回払い、三回払い、四回払いなど。利息手数料なし)でもご購入いただけます。当店ではお客様のご希望に出来る限り柔軟に対応しております。ご遠慮なくご相談くださいませ。





24,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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