聖ミカエルのシャプレ(天使のシャプレ、クーロンヌ、ロザリオ)を使った祈り方
Récitation de la Couronne Angélique ou de Saint Michel





(上) 聖ミカエルのシャプレ 全長 35 cm フランス 20世紀中頃 当店の商品です。


【聖ミカエルのシャプレ】

 「聖ミカエルのシャプレ」(chapelet/couronne de St. Michel)、別名「天使のシャプレ」(chapelet/couronne Angélique) は、3個ずつの連が9つ、及び連と連の間に1個ずつ、合計35個のビーズがクラウン(環状の部分)を構成し、これにクラウン外のビーズ4個と大天使ミカエルのメダイ1枚が加わります。

 「聖ミカエルのシャプレ」は、十八世紀にポルトガルのカルメル会修道女アントニア・ダストナコ (Antónia d'Astónaco) に対して大天使ミカエルが出現し、九階級の天使に執り成しを願うために、このシャプレで祈るように教えたとされています。「聖ミカエルのシャプレ」が広く知られるようになったのは、イタリア中部、ラツィオ州ヴィテルボ県の町ヴェトラッラ (Vetralla) のカルメル会修道院に属していたマリア・アンジェラ・コロンバ (Maria Angela Colomba) 修道女によります。マリア・アンジェラ・コロンバ修道女は、言葉にしがたい苦痛のうちに、手しか動かせない寝たきりの状態で34年間を過ごし、1751年6月15日に亡くなりました。御受難会を創設した十字架の聖パウロ (S. Paolo della Croce, 1694 - 1773) は、1742年にヴェトラッラのカルメル会修道院を訪れ、マリア・アンジェラ・コロンバ修道女について、キリストへの愛ゆえに十字架に架かった燔祭の捧げ物であると書き記しています。


【祈り方】

 このシャプレ(ロザリオ)を使った祈り方は、1851年8月8日及び 1852年9月8日に礼部聖省 (Congregatio pro Sacri Ritibus et Caeremoniis) が出した教令によって定められました。礼部聖省は今日の典礼秘蹟省 (Congregatio de Cultu Divino et Disciplina Sacramentorum) にあたります。

 聖ミカエルのシャプレは環状部分から祈り始め、最後にメダイへと続く四つのビーズを使います。祈りの順序は次の通りです。


 十字を切る。

 詩篇七十篇の全体、あるいは第二節のみを、ラテン語あるいは各国語で唱える。

       VULGATA    新共同訳
     1  In finem. Psalmus David in rememorationem, quod salvum fecerit eum Dominus.    指揮者によって。ダビデの詩。記念。
     2  Deus, in adjutorium meum intende; Domine, ad adjuvandum me festina.    神よ、速やかにわたしを救い出し、主よ、わたしを助けてください。
     3  Confundantur, et revereantur, qui quærunt animam meam.    わたしの命をねらう者が恥を受け、嘲られ、わたしを災いに遭わせようと望む者が侮られて退き、
     4  Avertantur retrorsum, et erubescant, qui volunt mihi mala; avertantur statim erubescentes qui dicunt mihi: Euge, euge!    はやし立てる者が恥を受けて逃げ去りますように。
     5  Exsultent et lætentur in te omnes qui quærunt te; et dicant semper: Magnificetur Dominus, qui diligunt salutare tuum.    あなたを尋ね求める人があなたによって喜び祝い、楽しみ、御救いを愛する人が神をあがめよといつも歌いますように。
     6  Ego vero egenus et pauper sum; Deus, adjuva me. Adjutor meus et liberator meus es tu; Domine, ne moreris.    神よ、わたしは貧しく、身を屈めています。速やかにわたしを訪れてください。あなたはわたしの助け、わたしの逃れ場。主よ、遅れないでください。

 栄唱を唱える。

      Gloria Patri, et Filio, et Spiritui Sancto.
Sicut erat in principio, et nunc, et semper, et in saecula saeculorum. Amen.
        願わくは父と子と聖霊とに栄えあらんことを。
初めにありしごとく、今も、いつも、世々にいたるまで、アーメン。


 (ここから環状部分を使う祈りが始まる。環状部分には九つの連があるが、連の数は天使の階級の数に合致している。一階級の天使への祈りが終わるごとに、ビーズを繰りながら「主の祈り」一回と「天使祝詞」三回を唱える。このようにして一連ずつ進んでゆく。)

・第一階級の天使への祈り 「聖ミカエル熾天使(セラフィム)の執り成しにより、主が我らを完全な愛の炎に燃ゆる者と為し給いますように。アーメン」

「主の祈り」一回と「天使祝詞」三回

・第二階級の天使への祈り 「聖ミカエルと智天使(ケルビム)の執り成しにより、主が恩寵によって我らに罪の道を棄てさせ、キリスト者としての完成の道を走らせ給いますように。アーメン」

「主の祈り」一回と「天使祝詞」三回

・第三階級の天使への祈り 「聖ミカエルと座天使の執り成しにより、真実で誠の謙遜の精神を、主が我らの魂に与え給いますように。アーメン」

「主の祈り」一回と「天使祝詞」三回

・第四階級の天使への祈り 「聖ミカエルと主天使の執り成しにより、主が我らに恩寵を給いて、我らの感覚を支配し給い、悪しき情念を正し給いますように。アーメン」

「主の祈り」一回と「天使祝詞」三回

・第五階級の天使への祈り 「聖ミカエルと能天使の執り成しにより、主が我らの魂を悪魔の罠と誘惑から守ってくださいますように。アーメン」

「主の祈り」一回と「天使祝詞」三回

・第六階級の天使への祈り 「聖ミカエルと力天使の執り成しにより、主が我らを誘惑に負けさせ給わず、悪から救い給いますように。アーメン」

「主の祈り」一回と「天使祝詞」三回

・第七階級の天使への祈り 「聖ミカエルと権天使の執り成しにより、主が我らの魂を、真実で誠の服従の精神で満たし給いますように。アーメン」

「主の祈り」一回と「天使祝詞」三回

・第八階級の天使への祈り 「聖ミカエルと大天使の執り成しにより、主が我らに信仰と善行のうちに留まる堅忍の賜物をくださり、御国の栄光へと至らせてくださいますように。アーメン」

「主の祈り」一回と「天使祝詞」三回

・第九階級の天使への祈り 「聖ミカエルと天の全天使の執り成しにより、地上の生の間、主が天使をして我らを守らせ給い、天の永遠の栄光へと導き給いますように。アーメン」

「主の祈り」一回と「天使祝詞」三回


(次に、メダイに続く四つのビーズに移る。四人の天使を憶えつつ、それぞれのビーズで一回ずつ、「主の祈り」を唱える。)

聖ミカエルを憶えて、「主の祈り」を一回

聖ガブリエルを憶えて、「主の祈り」を一回

聖ラファエルを憶えて、「主の祈り」を一回

自分の守護天使を憶えて、「主の祈り」を一回


(締めくくりの祈り)

 「栄えある聖ミカエル、天の軍勢の第一の将、人々の魂の頼るべき守り手よ。神に背く霊を打ち負かす御方、神の家の寵臣よ。イエス・キリストに次ぐ誉むべき導き手、能力と徳において並びなき御方よ。御身の助けを信じて頼る我らすべてを、あらゆる悪から救い給え。御身の並びなき守護によりて、我らの信仰を日々ますます固くし、神に忠実に仕える者と為し給え。

 至福なる聖ミカエル、イエス・キリストの教会の筆頭者よ。イエス為し給える御約束に、我らが値する者となれるよう、我らのために祈り給え。


 全能にして永遠の神よ。万人の救いのため、驚くべき愛と憐れみによりて、教会の筆頭者、いとも栄えある大天使聖ミカエルを選び給うた神よ。我らは御身に祈ります。聖ミカエルの憐れみ深き守護によりて、我らがすべての敵から守られますように。そして死の際には、如何なる敵にも脅(おびや)かされず、聖ミカエルの導きにより、力強く尊き御稜威(みいつ)なる御身の前に出られますように。我らの主イエス・キリストの功徳によりて。アーメン」



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