稀少品 ロレトの聖母子 天使たちが運ぶ聖なる家 百合と薔薇で飾った円形メダイ 直径 21.4 mm


突出部分を除く直径 21.4 mm

イタリア  十九世紀前半



 マドンナ・ディ・ロレトのたいへん古いメダイ。金属製円環の内部に別種の金属製円盤を入れてスクリュー・プレスで打刻圧延し、一枚のメダイとしています。二種の金属は色合いが異なりますが、色の違いは古色のせいで判別しづらくなっています。二種の金属の境界線は、ミル打ちを模した環状部分に痕跡をとどめています。





 一方の面は外側の円環状部分にイタリア語で「マドンナ・ディ・ロレト」(Madonna di Loreto ロレトの聖母)の文字を刻みます。円環状部分の最下部にある六弁の花は百合です。百合は薫り高い香気によって「高徳と貞潔」を表し、「神に選ばれた身分」、「神の節理に対する信頼」の象徴でもあります。

 百合が表すこれら三つの属性は聖母マリアに卓越的に当てはまります。とりわけマドンナ・ディ・ロレトにふさわしいということができます。なぜならばロレトの「聖なる家」は受胎告知の現場であり、神に選ばれた処女マリアが「お心通りこの身になりますように」と答えて救いを受け容れた場所だからです。





 ミル打ちを模した境界線の内側は直径十四ミリメートルの円形画面となっており、ロレトの聖なる家に安置されている聖母子像が浮き彫りで表されています。マドンナ・ディ・ロレト像において、聖母子は一つのマントに包まれています。これは三位一体の第二の位格である神なるイエスが、処女マリアを通して受肉したことを表現する図像で、十六世紀末に始まったものです。

 聖母子の足下にある不定形の物は雲で、これはマドンナ・ディ・ロレトが天上に上げられた栄光の聖母であることを示します。雲の形は弦月に似ており、聖母子の全身から発散する光と相俟って無原罪の御宿リの定型的図像表現に近づいています。





 もう一方の面は外側の円環状部分にイタリア語で「サンタ・カーザ・ディ・ロレト」(S. Casa di Loreto ロレトの聖なる家)の文字を刻みます。聖なる家は天使に支えられて空中を飛んでおり、その屋根には幼子イエスを抱いた聖母が乗って、これが聖家族の家であることを示しています。





 円環状部分の最下部にある五弁の花は薔薇です。古典古代の昔から薔薇はアフロディーテーの花であり、エロース(希 ἔρως 性愛)の象徴ですが、キリスト教の時代になると薔薇は聖母の花とされ、カリタース(羅 CARITAS 慈愛)の象徴となりました。





 本品はメダイ上部に長い脚付きの環が突出していますが、この環はメダイの面に対して垂直になるように捩じられています。これは十九世紀半ば以前のメダイに見られる特徴で、このメダイが作られてからおよそ百五十年以上経つ品物であることを示します。非常に古い年代にもかかわらず、突出部分の摩耗はごく軽度で、両面の図柄は細部までよく残っています。均一で美しい古色がメダイの両面を均一に被い、真正のアンティーク品ならではの美を見せています。特筆すべき瑕疵は何もありません。





本体価格 11,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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