クロモリトグラフ 無原罪の御宿り (版元不詳)
l'Immaculée Conception, éditeur inconnu
115 x 75 mm
フランス 19世紀後半
19世紀後半のフランスで制作された聖母マリアのカニヴェ。ほとんどのカニヴェはモノクロームですが、このカニヴェは華やかな多色石版画です。青を基調とする聖画と、聖画を囲む幅広の金色の対比が鮮やかです。
白百合を持つ両手を胸に当てた聖母マリアは12の星の冠を被り、細い月とともに表されています。白百合が聖母の象徴として描かれるのは、下に示す雅歌2章2節のテキストに基づきます。
Sicut lilium inter spinas, sic amica mea inter filias. (Nova Vulgata) おとめたちの中にいるわたしの恋人は 茨の中に咲きいでたゆりの花。
(新共同訳)
また星の冠を被った聖母と月の組み合わせは14世紀以降に描かれるようになった「モントジッヒェルマドンナ」(Mondsichelmadonna 弦月の聖母)と呼ばれる図像で、無原罪の御宿りの伝統的表現のひとつです。モントジッヒェルマドンナの図像学的特徴は、下に示すヨハネの黙示録12章1節に基づきます。
Et signum magnum apparuit in caelo: mulier amicta sole, et luna sub
pedibus eius, et super caput eius corona stellarum doudecim (Nova Vulgata)
また、天に大きなしるしが現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた。 (新共同訳)
聖母の図像における衣の色は、時代が下るにつれて、白と青に描かれることが多くなります。白と青は1976年に列聖された聖母受胎修道会の創設者、ベアトリス・ダ・シルヴァ
(Beatriz da Silva, 1424 -1490) の幻視に現れた聖母の衣の色です。しかし古い時代の聖母像、とりわけスペインにおける無原罪の御宿り像において、聖母はピンクと青の衣を着けて描かれます。このカニヴェの聖母も、ピンクと青の衣を身に着けています。
(下) 参考画像 Francisco de Zurbarán, Inmaculada Concepción, 1630 - 35, óleo sobre tela, 139 x 104 cm, Museo del Prado, Madrid
カニヴェの裏面は白紙で、フランス人女性の名前が黒インクで書き込まれています。本品は百年以上前のものですが、それほどまでに古いものとは俄かに信じがたいほど綺麗な状態です。
カニヴェのみの価格 14,800円
電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。
なお、木製フレームにベルベットを使用した額装を、手頃な価格で承ります。
下の写真の左側は、料金 14,700円(カニヴェは別売り)の高級額装の例です。額は日本製で、全工程を手作業で製作した高級品です。サンプルにはダーク・ブルーのベルベットを使用してみました。
下の写真の右側は、上質の写真立てを使った額装の例です。壁掛け式としても自立式としても使用できます。サンプルにはグリーンのベルベットを使用してみました。料金は
4,200円(カニヴェは別売り)です。
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