カニヴェとダンテル・メカニーク
canivets et dentelles mécaniues sur des thèmes différents
カニヴェ (canivet) とは、
オー・フォルト(エッチング)及び
グラヴュール(エングレーヴィング)によって描いたカトリックの小聖画で、エンボスを施したレース状の透かし細工で飾られています。紙製品ですから、木製や金属製の信心具に比べて失われやすく、またレース状の部分が破損しやすいために、完品はたいへん稀少です。
フランスでは十七世紀にカニヴェが作られ始めました。カニヴェ(仏 caivet/canivets)という語はカニフ(仏 canif)に由来します。カニフとは柄の先に三、四ミリメートルほどの小さな刃を付けたナイフで、1920年頃までティエル(Thiers オーヴェルニュ=ローヌ=アルプ地域圏ピュイ=ド=ドーム県)で作られていました。
手製カニヴェが最も盛んに制作されたのは十八世紀で、1840年頃からはダンテル・メカニーク(仏 dentelles mécaniques)に移行しました。ダンテル・メカニークは機械で製作した透かし細工の紙に、宗教的主題の版画を刷った美しい品物です。ダンテル・メカニークはカニフによる切り紙細工ではありませんが、一般にはカニヴェと呼ばれています。ダンテル・メカニークは
1900年頃まで刷られました。
ダンテル・メカニークの版元と年代の関係は次の通りです。
Maison Basset (images pieuses par Jules Basset), Paris, 1849 - 1865 (la
maison fondée au début du 18e siècle par L. Basset)
Bouasse-Lebel, Paris: 1845 - 1965
Chapoulaud Freres, Limoges et Paris: 1607 - 1878
Charles Letaille, Paris: 1839 - 1873 / Ancienne Maison Charles Letaille,
Boumard et Fils successeur, Paris: 1873 - ?
Dopter, Paris: 1824 - 1878
Turgis Fils: 1887 - 1932
Victor Regnault, Paris: XIXe siècle
Wicker: XXe siècle
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