クロワ・ジャネット (ジャネット十字、聖ヨハネ十字)
croix Jeannette, croix de Jeannette, croix à la jeannette


 クロワ・ジャネット(仏 croix Jeannette ジャネット十字)は十八世紀から十九世紀のフランスで流行したビジュ(ジュエリー)です。


 ヨーロッパでは中世以来の慣習により、聖ヨハネの日が契約や身分変更の区切りの日となっています。奉公人と使用人の雇用契約もこの日に結ばれました。

 ジャネットはジャン(仏 Jean ヨハネス、ヨハネ)の女性形です。クロワ(仏 une croix 十字架)は女性名詞で、ジャネットはこれを限定(修飾)する語ですから、クロワ・ジャネットとはもともと「聖ヨハネの十字架」という意味です。クロワ・ジャネットは新しく奉公を始める若い女性が聖ヨハネの日に贈られ、あるいは初給与で購入する習慣であったことから、聖人の名を冠して呼ばれるようになりました。それゆえクロワ・ジャネットは、社会人への仲間入りを象徴するジュエリーでもあります。


 昔のフランスの女性たちは、思春期の頃に購入したクロワ・ジャネットを、その後も長く身に着けました。それゆえクロワ・ジャネットは少女だけのものではなく、年齢を問わずに使うことができます。またキリスト教文化に基づきながらも、信心具ではなく装身具的性格が強いクロワ・ド・クゥ(仏 croix de cou 十字架型ペンダント)ですので、どなたにでもお使いいただけます。


 アンティークのクロワ・ジャネットは入手が難しく、いずれも稀少品です。現代まで伝わるクロワ・ジャネットの大部分は、下の写真のように大きく破損しています。このページでご紹介するクロワ・ジャネットはいずれも完品、あるいは完品に近い保存状態ですが、このように良好な保存状態のものは、稀少品であるクロワ・ジャネットのなかでも、さらに稀少です。

       大きく破損したクロワ・ジャネット。商品に対して当店で行うのは「非破壊検査」ですが、品物を破壊せずに材質や構造等を調べるには限界があります。サンプル採取等、最小限の破壊を行わざるを得ない場合には、このような資料が活用されます。


 なおここでいう完品とは、欠損が無い状態を指します。当店の商品はいずれも十九世紀に制作された真正のアンティーク品ですので、一部に摩耗や軽い凹みがあるものもございます。

  クロワ・ジャネットは、バイヨンヌ(Bayonne アキテーヌ地域圏ピレネー=アトランティック県)のジュエリー工房ケルト(Kelt)が現在でも制作しています。新品同様の状態でなければ満足できないという方は、現代の製品をお買い求めください。(1 €=132円) 当店の販売済み商品を見るには、このリンクをクリックしてください。



 稀少・高級品 十八カラットのツートン・ゴールド 《寄り添う愛 すずらんの聖母のジャネット十字 41.9x 31.2 mm》 牡羊の頭の刻印付き フランス 1819 - 1838年

 ベル・エポックの清楚な華やぎ 《無原罪の御宿りのクロワ・ジャネット 53.8 x 39.8 mm》 花色と濃紺のエマイユ・シャンルヴェ 二色のドゥブレ・ドール パリ、サヴァール・エ・フィス 十九世紀中頃または後半

 稀少・高級品 エモン・エ・フィス 銀無垢のクロワ・ジャネット 《パンセ・ア・モア わたしを想って 68.2 x 49.0 mm》 パリの十九世紀アンティ-ク

 稀少・高級品 フランスのアンティーク十字 《銀無垢のクロワ・ジャネット 69.6 x 50.5 mm》 最大サイズの作例 十九世紀後半





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