18カラット・イエロー・ゴールド製

O. リュフォニー作 天の元后 レジナ・チェリ 金無垢ペンダント フランス製アンティーク


28.0 x 23.7 mm (突出部分を含む)

 フランス  19世紀末から20世紀初頭



花のように可愛らしい形をした聖母マリアのアンティーク・ペンダント。百年以上前にフランスで制作されたもので、二色の18カラット・ゴールド(十八金)を使用しています。






ペンダントの中央には神の花嫁のヴェールを被り、胸の前に手を合わせて天上に眼差しを向ける若き聖母が浮き彫りにされています。


メダイ中央、円形部分の直径は 16ミリメートルにすぎませんが、浮き彫りはたいへん精緻であり、衣の皺(しわ)やヴェールの襞(ひだ)、

ヴェールからわずかに覗く髪の流れなどの細部に至るまで良く表現されています。

またメダイを鑑賞する際、観る角度をわずかに変えると、聖母の端正な顔立ちに浮かぶ表情もさまざまに変化し、あたかも生身のマリアを眼前に見るかのような錯覚さえ覚えます。





「レーギーナ・コエリー」(あるいは「レジナ・チェリ」)の文字が、ラテン語特有の大文字のみによるクラシカルな表記で、聖母を囲むように記されています。

「レーギーナ・コエリー」(REGINA COELI) は「天の元后」(天の女王)という意味で、

修道院で行われる日々の祈り(聖務日課)のうち、一日の締めくくりとなる「終課」で唱えられる古い祈り(アンティフォン)です。


「レギーナ・コエリー」は聖土曜日すなわち復活祭直前の土曜日から、聖霊降臨の主日までの聖務日課で唱えられるアンティフォンであり、

一年のこの時期に相応しく、キリストの復活を喜ぶ内容です。


REGINA CAELI, LAETARE, ALLELUIA,
QUIA QUEM MERUISTI PARTARE, ALLELUIA,
RESURREXIT, SICUT DIXIT, ALLELUIA.
ORA PRO NOBIS DEUM, ALLELUIA.
天の元后よ、喜び給へ。ハレルヤ。
御身産むを許され給へる御子の、ハレルヤ、
自ら言ひ給へるごとくに蘇へり給へばなり。ハレルヤ。
我らがために神に祈り給へ。ハレルヤ。



O. リュフォニー作の本品においても、聖母は優しい微笑みを浮かべており、憂い無く穏やかな表情からは、復活祭シーズンの日差しのように温かな愛があふれ出ています。

聖母が手を合わせておられるのは、執り成しの祈りを神に捧げる姿であることが、「レギーナ・コエリー」を読むとわかります。


メダイの右下、聖母の左肩のすぐ後ろに、19世紀後半から1930年代初頭にかけてフランスで活躍したイタリア系のメダイユ彫刻家、O. リュフォニーの署名 (Ruffony) が刻まれています。

O. リュフォニー(O. ルフォニー)は、聖母の端正な横顔を写した作品を他にも残しています。


(下) O. リュフォニー作 「無原罪の御宿り」 聖ベルナデット列聖記念メダイ 1933年頃 当店の商品です。





本品において、聖母像を刻んだ円形の画面は、樹木の枝を象(かたど)った金の帯で取り巻かれています。この部分の金は緑色がかった色をしています。

これは「グリーン・ゴールド」と呼ばれる珍しい種類の金で、日本美術が注目された19世紀末のヨーロッパにおいて、アール・ヌーヴォーの植物文様を描くために使用されました。





グリーン・ゴールドで表されているのは、木の枝をリボンで冠状に束ねたものです。樹種ははっきり分かりませんが、オリーヴ、月桂樹、シェーヌのいずれかでしょう。


オリーヴは知恵、希望、勝利と栄光、神との平和、純潔、王及び女王としての権能を象徴します。

月桂樹(ローリエ、ローレル)は勝利と栄光、不死の象徴であり、また神の怒りである落雷を避ける力があるともされていました。

シェーヌは力、勝利、自由、正義、平和の象徴であり、旧約聖書においては天地を繋ぐ役割を果たしています。


本品に浮き彫りにされている聖母は「レジナ・チェリ」(天の元后)であり、

キリストの復活と関連のある(聖母マリア)を囲む植物が上記のいずれであっても、その象徴する意味は浮き彫りのテーマによく合います。


このメダイの製造国であるフランスは、メダイユ芸術と彫金の技術が極度に発達した国であり、

フランス人彫刻家の技術を以ってすれば、樹種を容易に判別可能な写実的ミニアチュール彫刻として表現できたはずです。

したがって本品のグリーン・ゴールド部分がその樹種を表しているのか定かでない理由は、

オリーヴ、月桂樹、シェーヌのいずれにも見えるジェネリックな「樹木」として様式化することにより、これらの樹種が象徴するさまざまな意味を広く担わせているのでしょう。





このペンダントは19世紀末から20世紀初頭に制作されました。

この時代のメダイは金属片を打刻しただけのものがほとんどですが、金無垢の高級品である本品は例外的に手間をかけた作りで、八つの部品を合わせて制作されています。


まず金の板を花弁状の切れ込みがある形状に打ち抜き、リュフォニーによる聖母のメダイユを中央に鑞(ろう)付けします。

次に植物文様の彫金を施したグリーン・ゴールドの環を鑞付けします。

十字に交わるリボンを象ったイエロー・ゴールドの部品を四個製作して彫金を施し、グリーン・ゴールドの環の上に鑞付けします。

いちばん下の金板を取り巻く花弁状の部分ひとつひとつに、ビュラン(彫刻刀)を使った手作業で彫り込みを入れます。これにより、きらきらとした輝きが聖母を取り巻く効果が生まれます。

金の純度を表すホールマークを、上部に突出した環部分に刻印します。最後に金製のリングを取り付け、鑞付けして切れ目を閉じます。








ペンダント本体上部の環に、18カラット・ゴールドを示すフランスのホールマーク(馬の頭)と、オルフェーヴル(金細工工房)のマークが刻印されています。

馬の頭のホールマークは 1838年から 1919年まで使用されていました。






本品は金無垢製ですので金属の酸化による古色(パティナ)も無く、また高価なものゆえに大切にされてきたため、瑕(きず)や磨滅もまったくありません。

保存状態があまりにも良すぎるために、それほど古い時代の物には見えませんが、

このメダイが実際に19世紀末から20世紀初頭のフランスで制作された真正のアンティーク品であることは、ホールマークが証明しています。


また本品は「メダイ」とはいっても、信心具のレベルを超えて、「美術品」及び「宝飾品」として高く評価すべき水準に、十分に到達しています。


すなわち「レジナ・チェリ」の聖母像は高名なメダイユ彫刻家の作品で、どの角度から見ても美しく素晴らしい出来栄えは、同時代の信心具を超えた美術品となっています。


また八個もの部品を組み合わせた本品の作りは、ごく稀に制作された金無垢メダイのなかでも稀有の作例であるうえ、

花びら状の部分、グリーン・ゴールドの部分、四本のリボンを表す十字状の部分に、ビュランを使った手作業によって細密な彫金細工が施されています。

19世紀のメダイに彫金を施すのは高級品の場合珍しくありませんが、同時代の類品に比べ、本品の彫金は際立って手が込んでいます。、

したがって本品は細工の点においても信心具のレベルを超えており、むしろアンティーク・ファイン・ジュエリー、すなわち高級宝飾品のカテゴリーに入れるべき作例となっています。


百円硬貨よりもわずかに大きいサイズは、大きすぎず、小さすぎず、どのような場面においても末永くご愛用いただける高品質のアンティーク・ジュエリーに仕上がっています。



48,800円 販売終了 SOLD

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