「聖ミカエルのシャプレ」は、ポルトガルのカルメル会修道女アントニア・ダストナコ(Antónia d'Astónaco)に対して大天使ミカエルが出現し、九階級の天使に執り成しを願うために、このシャプレで祈るように教えたとされています。「聖ミカエルのシャプレ」が広く知られるようになったのは、イタリア中部、ラツィオ州ヴィテルボ県の町ヴェトラッラ(Vetralla)のカルメル会修道院に属していたマリア・アンジェラ・コロンバ(Maria
Angela Colomba)修道女によります。マリア・アンジェラ・コロンバ修道女は、言葉にしがたい苦痛のうちに、手しか動かせない寝たきりの状態で三十四年間を過ごし、1751年6月15日に亡くなりました。御受難会を創設した十字架の聖パウロ
(S. Paolo della Croce, 1694 - 1773) は、1742年にヴェトラッラのカルメル会修道院を訪れ、マリア・アンジェラ・コロンバ修道女について、キリストへの愛ゆえに十字架に架かった燔祭の捧げ物であると書き記しています。
聖ミカエルのシャプレ(ロザリオ)を使った祈り方は、1851年8月8日及び 1852年9月8日に礼部聖省(Congregatio pro Sacris Ritibus et Caeremoniis)が出した教令によって定められました。礼部聖省は今日の典礼秘蹟省(Congregatio
de Cultu Divino et Disciplina Sacramentorum)にあたります。