リジューの聖テレーズのバシリカ
La Basilique Sainte-Thérèse de Lisieux




(上) リジューの聖テレーズのバシリカ


【バシリカの歴史】

 リジューの聖テレーズが 1923年に列福、1925年に列聖されると、テレーズがその生を送った地であり終焉の地でもあるリジューにバシリカを建設することが決まりました。バシリカ建設の発起人となったのは当時のバイユー及びリジューの司教トマ=ポール=アンリ・ルモニエ師 (Thomas-Paul-Henri Lemonnier, 1906 - 1927) で、師はローマ教皇ピウス11世の全面的な協力を得ることに成功しました。

 バシリカの建設は1929年9月30日に始まり、親子孫三代の建築家、ルイ=マリ・コルドニエ (Louis-Marie Cordonnier, 1854 - 1940)、ルイ=スタニスラス・コルドニエ (Louis-Stanislas Cordonnier, 1884 - ?)、ルイ・コルドニエ (Louis Cordonnier) のもとで作業が進められました。1937年、後に教皇ピウス12世となるパチェリ枢機卿 (Eugenio Maria Giuseppe Giovanni Pacelli, 1876 - 1958) が教皇代理としてバシリカを献堂しましたが、バシリカが最終的に完成したのは第二次世界大戦を挟んで 1954年7月11日のことでした。

 今日、リジューのバシリカはフランスの巡礼地としてルルドに次ぐ地位にあります。


【バシリカの規模や施設など】

 リジューのバシリカは花崗岩とコンクリートを使用した巨大なラテン十字型聖堂で、全長104メートル、翼廊の長さ 50メートル、身廊の幅 30メートル、ドームの高さ 95メートル、面積 4,500平方メートルを誇り、4000人を収容することができます。その規模は大きな司教座聖堂に匹敵し、20世紀における最大の教会建築のひとつといえます。全体のデザインはビザンティン様式及びロマネスク様式で、モンマルトルにあるサクレ・クールのバシリカの強い影響が見られます。

 聖堂内部は身廊がひとつで回廊も列柱も無く、単一の巨大な空間となっており、壁面は大きなモザイク画で飾られています。さらに世界各地から聖テレーズに捧げられた 18の小祭壇があります。

 バシリカの地下には 50 x 30メートルの広さのクリプト(地下聖堂)があります。このクリプトは 1932年に完成したもので、聖テレーズの生涯(受洗、初聖体、10歳の時の重病からの奇跡的な回復、修道誓願、死)を描いたモザイク画があります。



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