林檎を咥えて暴れる蛇を踏み付ける無原罪の御宿り 大きめサイズの不思議のメダイ 26.4 x 15.8 mm

突出部分を含むサイズ 縦 26.4 x 横 15.8 mm

フランス  1930年代



 フランスにとって明るく豊かな時代であった 1930年代頃に制作された「不思議のメダイ」。26.4 x 15.8ミリメートルと大きめのサイズで、手に取ると心地よい重みがあります。





 メダイの表(おもて)面では、無原罪の御宿りなる聖母が雲上に蛇を踏みつけて立ち、両腕を少し広げて斜め下に伸ばしています。掌は前に向けられて見る者を招き、両手の指輪からは限りない恩寵の光が地上に注がれています。球体の下部には、聖母が出現した 1830年の年号と、製造国を示す「フランス」(FRANCE) の文字が刻まれています。

 創世記3章においてエヴァを誘惑した蛇は、「原罪」の象徴である「善悪を知る木の実」を咥(くわ)えています。聖母が蛇を踏みつける姿は、聖母が蛇の支配を受けない(すなわちその身に罪を帯びない)「無原罪の御宿り」であることを象徴的に表しています。このメダイにおいて、聖母は最期の力を振り絞って暴れる蛇を踏み付けています。聖母の周囲には次の言葉がフランス語で刻まれています。

  Ô Marie conçue sans péché, priez pour nous qui avons recours à vous.  罪無くして宿り給えるマリアよ、御身に頼る我らのために祈りたまえ。

 聖母は体重を右脚に掛け、左の膝を軽く曲げたコントラポストの姿勢を取っており、前方に突き出した左脚の腿の丸みをはじめ、胸のふくらみや腹部の優しい丸みなどの女性らしい体つきが、地上にあるどの薄絹にもまさって軽く柔らかいと思われる天の衣に包まれて、巧みに表現されています。流れるような衣の襞にも形式ばった固さは無く、あたかも聖母が眼前におられるかのように、小さな浮き彫りであることを忘れさせる自然な表現となっています。「不思議のメダイ」の図柄は定型化して、どれも変わり映えがしないように思われがちですが、本品は聖母の彫刻が優れていることに加え、暴れる蛇が「善悪を知る木の実」を口に咥えている点でも、たいへん珍しい作品となっています。





 メダイの裏面にはマリアのMと十字架を組み合わせたモノグラム、その左下にイエズス・キリストの聖心、右下に聖母の汚れ無き御心が配され、十二使徒すなわち教会を象徴する12個の星が、これらの図像を取り囲んでいます。

 このメダイは表面の突出部分にごく軽い摩耗が見られる程度で、ほとんど製作当時のままの良好なコンディションです。写真では艶(つや)が無いように写っていますが、実物は滑らかな金属光沢と、真正のアンティーク品ならではの古色を兼ね備えており、たいへん美しいメダイです。





本体価格 8,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




不思議のメダイ 20世紀前半のもの 商品種別表示インデックスに戻る

各地に出現した聖母のメダイ 一覧表示インデックスに戻る


不思議のメダイ 全年代の商品種別表示インデックスに移動する

各地に出現した聖母のメダイ 商品種別表示インデックスに移動する


聖母マリアのメダイ 商品種別表示インデックスに移動する

メダイ 商品種別表示インデックスに移動する


キリスト教関連品 商品種別表示インデックスに移動する



アンティークアナスタシア ウェブサイトのトップページに移動する




Ἀναστασία ἡ Οὐτοπία τῶν αἰλούρων ANASTASIA KOBENSIS, ANTIQUARUM RERUM LOCUS NON INVENIENDUS