名品 マリ=ベルナール修道士作 「リジューの聖テレーズ」 驚くべき細密彫刻のメダイ 16.8 x 14.7 mm


フランス  1937年頃



 マリ=ベルナール修道士によるリジューの聖テレーズのメダイ。珍しい七角形のシルエットを有します。直線を多用した左右対称のデザインはアール・デコの様式です。





 表(おもて)面にはカルメル会の修道衣をまとう聖テレーズの上半身を浮き彫りにしています。テレーズは薔薇が咲きこぼれるクルシフィクスを胸に抱き、優しい微笑みを浮かべています。テレーズの右肩あたりにメダイユ工房のマークがあります。

 薔薇のクルシフィクスを抱くテレーズはこの聖女の定型化した図像で、数多くのメダイの意匠となっていますが、テレーズ像の出来栄えはメダイによってさまざまです。本品はメダイの小ささゆえにサインが彫られていませんが、厳律シトー会のマリ=ベルナール修道士による作品です。修道者という立場がテレーズに共通するマリ=ベルナール修道士の作品は、魂を見通すような聖女の眼差しを浮き彫り彫刻を見る者に向けて、神の愛の黙想へと導きます。





 上の写真に写っている定規のひと目盛は 1ミリメートルです。本品のテレーズ像は高さ 10ミリメートルという極小サイズのミニアチュール彫刻ですが、その出来栄えは数あるテレーズ像のなかでも最高度に優れています。テレーズの目、鼻、口はそれぞれ 1ミリメートルほどの小ささですが、それぞれの形と全体の顔立ちが整っているばかりか、聖女の表情には神とイエスに対する無条件の信頼と燃えるような愛が形象化されています。薔薇の花の直径は 1ミリメートルに足りませんが、それでも大輪の花に見えるのは、テレーズの胸からあふれる愛の強さゆえです。キリストの顔は直径 0.3ミリメートルの円内に収まりますが、目、鼻、口がきちんと造形されています。





 裏面には北側から見たリジューのバシリカと鐘楼を精緻な浮き彫りで表し、「バジリク・ド・リジュー」(Basilique de Lisieux フランス語で「リジューのバシリカ」の意)の文字を刻んでいます。リジューのバシリカは、1937年、後に教皇ピウス12世となるパチェリ枢機卿 (Eugenio Maria Giuseppe Giovanni Pacelli, 1876 - 1958) によって献堂されました。





 本品はリジューのバシリカが献堂された 1937年頃にフランスで制作された真正のヴィンテージ品(アンティーク品)ですが、突出部分にも磨滅は無く、極めて良好な保存状態です。お買い上げいただいた方には末長くご満足いただけます。





本体価格 12,800円 販売終了 SOLD

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