イエズスの受胎を告知される処女マリアのメダイ。
大天使ガブリエルが神の許からガリラヤのナザレに遣わされ、14歳の少女マリアに語りかけています。天使の方を振り向くマリアに、鳩の形の聖霊から光が差しています。メダイの周囲には大天使ガブリエルの言葉がラテン語で書かれています。
AVE MARIA GRATIA PLENA おめでとう、恵まれた方、マリアよ。
プロテスタントと違って、カトリックでは聖母マリアを大切にしますが、それは受胎告知の際、マリアがガブリエルに対して、「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」と答えたからです。プロテスタント思想においては、人間は善を為すことができません。人間にできるのは、罪を犯すことだけです。しかるにカトリックにおいては、人間は善を為す自由を有すると考えられています。神は救いを強制せず、マリアは自由意志を以って、全人類のために救いを受け入れたのです。
メダイの裏面には次の言葉がフランス語で書かれています。
Souvenir de Notre-Dame de l'Annonciade, Menton マントン、お告げの聖母巡礼記念
「お告げの聖母」(Notre-Dame de l'Annonciade) はフランス本土の南東隅、イタリアと国境を接するプロヴァンス=アルプ=コート・ダジュール地域圏アルプ=マリティーム県の町マントン
(Menton) にある巡礼地で、マントンの町を見晴らす海抜 230メートルの丘にあります。14世紀に遡るこの地域で最も古い教会で、1867年以降はカプチン会の修道院付属聖堂となっています。マントンのお告げの聖母は、船乗りや危険な仕事に従事する人々の崇敬を集めています。
受胎告知のメダイはほとんど手に入らず、稀少です。このメダイには磨耗もほとんど認められず、全体的にたいへん良いコンディションです。