高さ 2.5センチメートル、幅 1.9センチメートルと愛らしいサイズのクロワ・ジャネット。表裏とも同一のデザインに基づき、同様の丁寧さで制作されています。素材は18カラット・ゴールドです。写真では正しい色が再現できていませんが、実物は綺麗な金色です。
本品は十字架全体に亙って、縁の部分に波状装飾が施され、菱形の中央交差部に四弁の花、末端に近く楕円形に広がった部分には簡略な唐草文を浮き彫りにしています。楕円形部分の外側に膨らみを持たせ、先端部は小球となって終わっています。十字架上部のフルール・ド・リス(fleur de lys 百合文あるいはアヤメ文)を(かたど)模った部分には、フランスで18カラット・ゴールド(純度 18/24の金 十八金)を表す鷲の頭のホールマーク、及び本品を製作した金銀細工師の刻印が見られます。
本品は中央交差部、楕円部分、及び球状部分の比率が全体に対して大きいために、可愛らしい印象を与える半面、十字架の幅が末端に向かって細くなる洗練されたデザインゆえに、優雅さをも兼ね備えています。
クロス、メダイ等、フランスのアンティーク信心具は、800シルバー及びヴェルメイユが最も高級な素材ですが、本品はたいへん珍しいことに18カラットの金無垢製です。クロワ・ジャネットは入手が難しい稀少品ですが、本品のような金無垢製品はとりわけ稀少です。