「再生」と「八つの幸福」のクロワ・ユグノト 立体的な銀無垢彫刻 振り返る鳩が可愛い作例 30.0 x 15.0 mm
自然に吊り下げたときのサイズ 30.0 x 15.0 mm (上部に取り付けた環を除く)
フランス 20世紀
フランス改革派教会の十字架、クロワ・ユグノト(ユグノー十字)のペンダント。
クロワ・ユグノト上部にはマルタ十字があり、各腕木の先端部には二個ずつの玉が付きます。玉の数は十字架全体で八個になります。
「創世記」の冒頭には神が六日間で天地を創造し給うた故事が記録されています。アウグスティヌスは、六日間の「六」が被造的世界の完全性を象徴すると考えました。「六」は数学的完全数ですが、一方で、ユダヤ教、キリスト教においては、神が休まれた日を含めた「七」もまたひとつのユニットあるいはサイクルを為す完全数と考えられてきました。「八」は「七」の次に来る数、新たなサイクルが始まる数であるゆえに、「再生」を象徴します。
「八」は「マタイによる福音書」 5章3節から10節で説かれている「八つの幸福」の象徴でもあります。イエスはこの説教で「神に頼る人、悲しむ人、義に飢え渇き、義のために迫害される人は幸いである」と説き給いました。クロワ・ユグノトは、ニームの金細工師が、迫害に遭っていたユグノーたちのために考案したと伝えられます。イエスがここで語り給うた言葉は、ユグノーたちの心に強く響いたに違いありません。
本品は肉厚で立体的ですが、マルタ十字先端の玉の丸みは、特によく目立ちます。玉を強調した本品の意匠は、玉が象徴するふたつの意味、すなわち「再生」と「八つの幸福」を、とりわけ強調しています。
本品のいまひとつの特徴は、十字架から下がる鳩の造形です。
鳩はノアの箱舟から放たれ、オリーヴの枝を咥えて戻ってきました。それゆえ鳩は神との平和を象徴します。これが十字架からぶら下がっているのは、キリストの受難によって神との平和が回復されたことを表します。鳩は聖霊の象徴でもあります。キリスト教徒は十字架によって聖霊を受けたのであり、聖霊によって神の子となります(ローマの信徒への手紙8章15, 16節)。十字架から発出する聖霊は、このことをも表します。
救い主の受肉と救世も、聖霊の降臨も、神から人に一方的に与えられる恩寵(恵み)です。それゆえクロワ・ユグノトの鳩は、天から地への方向性を視覚化するように、頭を下にし、くちばしを真下に向けてぶら下げられます。本品の鳩も頭を下にしていますが、たいへん面白いことに、鳩の顔はこちらを向いています。筆者(広川)はこれまでに数多くのクロワ・ユグノトを見てきましたが、本品のように可愛らしくユーモアさえ感じさせるものは初めてです。本品のマルタ十字と鳩は、ともに肉厚で優しい丸みを帯びており、クロワ・ユグノトのなかでもとりわけ愛すべき作例といえましょう。
本品はフランスで制作されたヴィンテージ品ですが、保存状態は新品同様で、未販売のまま保管されていたものと思われます。特筆すべき瑕疵(かし 欠点)は何もありません。
本体価格 15,800円 販売終了 SOLD
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