極稀少品

ノートル=ダム・デュ・ポール 十字軍800周年記念 800シルバーのメダイ 直径 22.8 mm


突出部分を除く直径 22.8 mm

フランス   1895年



 数多くのロマネスク聖堂が残るオーヴェルニュにあって、最も美しい聖堂の一つ、クレルモンのノートル=ダム・デュ・ポールのバシリカに安置される黒い聖母のメダイ。ノートル=ダム・デュ・ポールはクルミ材でできた高さ 31センチメートルの聖母子像です。





 メダイの片面にはバシリカのクリプト(半地下の礼拝堂)に安置されているノートル=ダム・デュ・ポールをあしらいます。聖母はゆったりとした衣を身にまとって幼子イエズスを両手で愛しそうに抱き、幼子イエズスは頭から足先までの全身で母に寄り添っています。幼子を慈しむ聖母が上体を傾(かし)げ、母子が頬を寄せ合う微笑ましい姿はたいへん特徴的です。

 このメダイの聖母子は浮き彫りのように見えますが、別に製作した像を円盤状の金属製メダイに取り付けてあります。そのため聖母子はたいへん立体的で、あたかも祭壇に置かれた丸彫り像のように感じられます。聖母子の周囲には、フランス語で次の言葉が書かれています。

  Notre-Dame du Port, priez pour nous.  ノートル=ダム・デュ・ポールよ、我らのために祈りたまえ。





 台座の下に、「ペナン、リヨン」(Penin, Lyon) の文字が記されています。19世紀のリヨンにはふたりのメダイ彫刻家、マリユス・ペナン (Marius Penin, 1807 - 1880) と、その息子リュドヴィク・ペナン (Ludovic Penin, 1830 - 1868) がいますが、このメダイが製作された 1895年の時点ではいずれも物故していますので、古い小型メダイの鋳型からノートル=ダム・デュ・ポールの背景部分を切り取ったものを利用して、新しいメダイを製作したことがわかります。





 メダイの裏面には中央に十字架をあしらった軍旗、周囲にフランス語で次の言葉が、いずれも手彫りで刻まれています。

  8e centennaire de la 1ere croisade, mai 1895  第一回十字軍 800周年記念 1895年5月


 セルジュク朝トルコにアナトリア(小アジア半島)の大部分を奪われた東ローマ皇帝アレクシオス1世 (Alexios I Komnenos, 1056 - 1081 - 1118) は、ローマ教皇ウルバヌス2世 (Urbanus II, c. 1035 - 1088 - 1099) に対して、1095年に救援を要請しました。クレルモンの聖母のメダイが十字軍と関連付けられているのは、1895年にこの地で開かれた教会会議において、ウルバヌス2世が十字軍の実施を訴えたからです。

 メダイ上部の環には、フランスにおいて800シルバー(純度80パーセントの銀)を表すイノシシの頭のホールマークが刻印されています。


 メダイのコンディションはたいへん良好です。摩耗の程度もごく軽く、聖母の顔立ち等、細部まで19世紀の状態のまま綺麗に残っています。表面のパティナ(古色)は銀の硫化によるもので、真正のアンティークならではの趣です。クリーニングしたい場合は、練り歯磨きをブラシに付けて軽くこすれば新品同様になります。





本品価格 18,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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