ジャン=バティスト・エミール・ドロプシ作 「ロサ・ミスティカ」 800シルバー製メダイヨン 直径 33.0 mm


突出部分を除く直径 33 mm   厚さ 11 mm

フランス  19世紀後半から20世紀初頭



 19世紀後半から20世紀前半のフランスにおけるカトリック・メダイユ彫刻を代表するひとり、エミール・ドロプシ (Jean-Baptiste Émile Dropsy, 1848 - 1923) による美しい作品。素材は800シルバー(純度 800/1000の銀)で、開閉するメダイヨン(ロケット)となっています。




 メダイの一方の面には、限りなく優しい「ロサ・ミスティカ」の横顔を、柔らかいタッチの浮き彫りで表します。

 「ロサ・ミスティカ」(ROSA MYSTICA) とはロレトの連祷にある聖母マリアの称号の一つで、ラテン語で「神秘の薔薇」、「奇(くす)しき薔薇」という意味です。5世紀のラテン詩人セドゥーリウスが「カルメン・パスカーレ」("CARMEN PASCHALE" ) で歌ったように、棘のある繁みから生え出でつつも傷つくことなく美しい薔薇の花は、人祖の妻エヴァと同じく女性でありながらも、エヴァの罪に傷つくことがない無原罪の御宿り、すなわちマリアの象徴です。


 このメダイユにおいて、整った横顔を見せる聖母は、口許にかすかなほほえみをたたえつつ、眼を閉じて、神の愛、神への愛に思いを潜(ひそ)めています。その穏やかな表情は、救世主を産むという大任を果たすように天使ガブリエルから告げられても、いささかも動じなかったマリアの、神への限りない信頼を表しています。





 マリアの右肩の後ろに、ジャン=バティスト・エミール・ドロプシ (Jean-Baptiste Emile Dropsy, 1848 - 1923) のサイン (E. Dropsy) があります。

 ジャン=バティスト・エミール・ドロプシは、キリスト教美術の分野において、19世紀後半から1920年代初めのフランスで活躍した最も優れたメダイユ彫刻家のひとりであり、やはり高名なメダイユ彫刻家であるアンリ・ドロプシ (Henri Dropsy, 1885 - 1969) の父としても知られています。この美しい「ロサ・ミスティカ」は、ジャン=バティスト・エミール・ドロプシの代表作です。


(下・参考画像) ジャン=バティスト・エミール・ドロプシ作 「無原罪の御宿り」 ブロンズ製の自立式メダイユ 直径 55.0 mm 1880 - 1890年代  当店の商品です。




 メダイヨン上部の環に、フランスにおいて800シルバーを示す「イノシシの頭」のホールマーク、及びフランスの銀製品工房のマークが刻印されています。


 本品は百年あるいはそれ以上前に制作された真正のアンティーク品ですが、驚くほど良好な保存状態です。浮き彫り彫刻の突出部分もまったく磨滅しておらず、細部までよく残っています。メダイヨン(ロケット)の機能に関しても、如何なる問題もありません。蝶つがいに緩みは無く、閉じた際に隙間はありません。

 高名なメダイユ彫刻家ジャン=バティスト・エミール・ドロプシ が、信心具の素材として最も高級な銀を使用して制作し、ベル・エポック、すなわちフランスの古き良き時代の香りを今に伝える実用可能な工芸品です。





本体価格 32,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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