アール・ヌーヴォー様式に基づく白百合のカニヴェ 「初聖体の日」 多色刷り石版と絹布による紙人形付

image pieuse de la première communion, 1918, au style d'art nouveau avec une communiante en relief habillée de soie fine


額のサイズ 縦 213 x 横 168 mm

カニヴェのサイズ 縦 145 x 横 75 mm


フランス  1918年



 裏面に 1918年の日付が書き込まれている初聖体カニヴェ。いまからおよそ百年前のフランスで、アール・ヌーヴォー様式に基づいて制作されたものです。

 本品において、百合と少女の紙人形には多彩色石版画が用いられています。多彩色石版画はどんな色でも刷ることができますが、本品では色数とともに色調も抑えられ、華やかさのなかにも宗教行事にふさわしい厳粛さが表現されています。





 本品はしっかりとした厚めの中性紙に大輪の白百合を表し、中央に少女の紙人形を貼り付けています。百合は少女の純潔を象徴するとともに、純白のドレスを着た少女が神に選ばれた花嫁であることをも表しています。

 百合は立体的なエンボス(型押し)により写実性を高められつつも、その茎はいくぶん様式化されて不規則な曲線を描き、アール・ヌーヴォー様式の特徴である左右非対称の輪郭を規定しています。百合のような自然物を装飾として用いるにあたり、過度の様式化を避けて写実性を保つ作風は、19世紀末から20世紀初頭のヨーロッパを席捲した日本美術の影響です。





 十二歳で初聖体を迎えた少女は花嫁の装いで、純白のドレスに純白のヴェール、純白の手袋と靴を身に着けています。少女は右手にシエルジュ(大ろうそく)を、左手に白い表紙の祈祷書を持ち、祭壇に向かって大人への大きな一歩を踏み出しています。

 少女のスカート部分とヴェールは非常に薄く目が細かい絹でできており、スカートにはゆったりとした優雅な襞が作られています。絹布にはパラフィンよりも固い何らかの天然蝋を浸み込ませてあり、整った形を保持するとともに、トランスルーセント(半透明)となって、レースをふんだんに使った純白のドレスの、輝くような透明感が巧みに表現されています。少女の足下には「スヴニール・ド・プルミエール・コミュニオン」(Souvenir de première Communion フランス語で「「初聖体記念」)の文字があります。





 裏面には次の言葉がフランス語で書き込まれています。

  À ma petite Jeanne, en souvenir de sa première Communion, 9 Mai 1918, M. Magnenoz  可愛いジャンヌへ。初聖体の記念に。1918年5月9日 M. マニュノ





 本品は百年近く前に制作された古い物ですが、繊細な紙製品にもかかわらず、非常に良好な保存状態です。ヴェールに一箇所小さな破れ目がありますが、特筆すべき問題は見当たりません。本品に使用されている紙はすべて中性紙ですので、百年以上の歳月にもかかわらず劣化は起こっておらず、紙自体が劣化することは今後もありません。





 写真の額は、このカニヴェと同様にアール・ヌーヴォーの意匠によります。販売の時点でこの額が在庫していない場合、お客様のお好みに合わせた同等品をご用意いたします。額装に使用する材料は吟味し、長期保存に悪影響のある物は使っておりません。カニヴェの固定方法はマットに押し付けてあるだけで、粘着テープ等はいっさい使用しておりませんので、額を開ければいつでも取り出すことができます。

 撮影時のベルベットは、植物モティーフを愛用したアール・ヌーヴォー様式に因み、緑色を選びました。ベルベットの色は変更可能です。本品を飾る際は、作品の褪色を避けるために、直射日光を避けてください。






カニヴェ、額、税 すべて込 28,000円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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