ドメニキーノ作 《ヴィオラ・ダ・ガンバで神を讃える聖セシリア》 パリ、アール・カトリークによるコロタイプ小聖画 No. 328 1890年代


額のサイズ  105 x 145 mm

余白を含めた聖画全体のサイズ  74 x 109 mm



 コロタイプによる小聖画。烏賊墨(セーピア)色のインクを用いて、アルブミン・プリントのように温かみのある色調に仕上げています。良質の無酸紙に刷られているため、百年以上の歳月にもかかわらず、聖画はまったく劣化していません。




(上) Le Dominiquin, "Ste Cécile", 1617/18, huile sur toile, 160 x 119 cm, Louvre


 ローマの聖セシリアは半ば伝説の殉教処女です。古代から名が知られ、サンタポリナーレ・ヌオヴォ聖堂のモザイク画(六世紀)にも姿が表現されています。十四世紀に聖セシリアはオルガンと共に描かれるようになり、音楽の守護聖人ともみなされるようになりました。

 ラファエロカルロ・ドルチによる有名な作例をはじめ、ルネサンス期以降に制作されたセシリア像は、たいていの場合、オルガンとともに描かれます。聖セシリアを音楽と関連付ける根拠となった祈りの言葉にはオルガンが出てきますし、単旋律聖歌の伴奏に使われる小型オルガンは音楽一般の象徴でもありましたから、聖セシリアがオルガンとともに描かれるのは自然な成り行きでした。




(上) ドメニキーノ 「聖セシリア」 エフライム・コンキによる全面エングレーヴィング 細密かつ美麗な作品 241 x 187 mm ロンドン、J. S. ヴァーチュー 1850 - 60年代頃 当店の商品


 しかるにドメニキーノが描いた数点のセシリアは、いずれもヴィオール属の楽器を手にしています。本品聖画においても、セシリアはヴィオラ・ダ・ガンバを奏でています。現代のヴィオール属楽器は大きく迫力のある音が出ますが、ドメニキーノは十六世紀後半から十七世紀前半のバロック期に生きた人ですから、ヴィオール属楽器は現代に比べて柔らかな音を出していました。現代のヴァイオリンやチェロが大きな音で地上の歓びを謳歌するのに対して、バロック・ヴァイオリンやヴィオラ・ダ・ガンバは強い自己主張をせず、いわば一歩下がって分を弁(わきま)えつつ、神の栄光を讃えたのです。





 顕微鏡または高倍率のルーペで本品聖画を拡大すると、コロタイプの特徴であるゼラチンのレティキュレーションが検出できます。コロタイプはアンティーク・フォトグラヴュアと並んで最も細密性に優れた版画技法であり、その細かさは現代のグラビア(オフセット印刷)の比ではありません。

 聖画の下にはフランス語でサント・せシル(仏 Sainte Cécile 聖セシリア)、ル・ドミニカン(仏 Le Dominiquin ドメニキーノ)と書かれています。パリの版元アール・カトリークの社名と所在地(Art Catholique, 6, Place St. Sulpice)、図版番号(328)が、聖画のすぐ下に記されています。





 本品はおよそ百二十年前に制作された真正のアンティーク・コロタイプですが、良質の中性紙に刷られているため、あたかも昨日刷られたかのように良好な保存状態です。刷られた枚数は不明ですが、耐久性のある金属版インタリオと違って、ゼラチンを使うコロタイプ版で刷れる数はおよそ三百枚が限度ですから、本品も元々多くは刷られていないでしょう。

 本品は木製フレームにベルベットを使用し、額装してあります。サンプル写真では赤のベルベットを使っていますが、ベルベットの色は無料で変更できます。ご注文時において写真の額が手に入らない場合は、同等クラスの額をご用意いたします。





9,500円 + 税

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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