金色の小さなクロワ・ユグノト 良質のドゥブレ・ドール 愛を強調した作例 20.6 x 11.6 mm


自然に吊り下げたときのサイズ  20.6 x 11.6 mm (上部に取り付けた環を除く)

フランス  19世紀から20世紀前半



 フランス改革派教会の十字架、クロワ・ユグノト(ユグノー十字)のペンダント。両面は同じ意匠に基づき、同じ丁寧さで制作されています。実物の色は写真よりも鮮やかな金色です。





 クロワ・ユグノトの上部にはマルタ十字があり、各腕木の先端部には二個ずつの玉が付いています。玉の数は十字架全体で八個になりますが、キリスト教において「八」という数字は再生の象徴であり、また山上の垂訓(マタイによる福音書5章3節から10節)で説かれている八つの幸福の象徴でもあります。山上の垂訓では、「神に頼る人、悲しむ人、義に飢え渇き、義のために迫害される人は幸いである」と説かれています。クロワ・ユグノトはニームの金細工師が17世紀に考案したと伝えられますが、山上の垂訓で語られる言葉は、当時迫害に遭っていたユグノーたちの心に強く響いたに違いありません。

 十字架の腕木と腕木の間にはフルール・ド・リス(fleurs de lys 百合文またはアヤメ文)が置かれています。本品のフルール・ド・リスは横に引き伸ばされた形状になっています。三つの花弁を有するフルール・ド・リスは三位一体の象徴であるとともに、フランスの象徴でもあります。四つのフルール・ド・リスの花弁を合わせると十二枚になりますが、これは十二使徒、及び十二使徒によって代表される全キリスト教徒を象徴します。





 さらにフルール・ド・リスと、これをはさむ十字架の腕木二本によって、十字架の周りに四つの心臓形が形成されます。心臓(クール、ハート)は言うまでもなく愛の象徴であり、「四」という数によって四人の福音記者をも表します。クロワ・ユグノトには心臓形が明瞭でない作例も多いですが、本品の心臓は形がよく整っており、「愛」を強調した作例であることがわかります。

 四つのフルール・ド・リスが形作る環は茨の冠を象ったものと見ることができ、終わり(端)の無い環形は無限にして永遠なる神の愛を表しています。本品のフルール・ド・リスは横に引き伸ばされた形状であるゆえに、これが形作る環は茨の冠にいっそう似ており、この点でも「愛」を強く表現した作例となっています。


 十字架からはが下がっています。鳩はノアの箱舟から放たれ、オリーヴの枝を咥えて戻ってきました。それゆえ鳩は神との平和を象徴します。これが十字架からぶら下がっているのは、キリストの受難によって神との平和が回復されたことを表します。

 鳩は聖霊の象徴でもあります。キリスト教徒は十字架によって聖霊を受けたのであり、聖霊によって神の子となります(ローマの信徒への手紙8章15, 16節)。十字架から発出する聖霊は、このことをも表します。





 本品の材質はドゥブレ・ドール(doublé d'or 金張り)で、ベース・メタルの表面に厚い金の板を張っています。ドゥブレ・ドールは金の層が厚いため、一見したところ金無垢と見分けが付きません。本品も金無垢に見え、当店の検査機器も「十六カラットないし十八カラットの金」と判定しました。しかしながら上部に取り付けた環にメダイユ工房の刻印があるのみでポワンソン(ホールマーク 検質の刻印)が無いので、顕微鏡を使って慎重に調べ、ようやくドゥブレ・ドール製品であると確認できました。

 クロワ・ユグノトの作りの丁寧さは、品物によってさまざまです。マルタ十字には片面のみに線が刻まれる場合も多いですし、ほとんどの作例において少数の線が浅く刻印されるにすぎません。しかるに本品では、手彫りのようにくっきりと力強い線条が、マルタ十字の両面に数多く刻まれています。鳩に施された線刻も丁寧です。





 本品は二十世紀前半以前にフランスで制作された真正のアンティーク品ですが、保存状態は良好です。類品に比べて小さなサイズであるにもかかわらず、作りはたいへん丁寧で、末長くご愛用いただけます。





11,800円

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