稀少品 「百合の十字架」 彫金装飾のあるフランス製アンティーク 34.9 x 21.4 mm


フランス  19世紀中頃または後半



 ブロンズの表面を厚めの金で被ったドゥブレ・ドール(doublé d'or 金張り)の十字架。フランスの金製品は他国の金製品に比べて赤味がかっている場合が多く、本品の金もローズ・ゴールドに近い色です。

 本品は19世紀中頃または後半のフランスで制作されました。十字架の各末端と中央に百合を配し、十字架の彫金で全面を埋め尽くした意匠は、「カトリックの長姉」フランスにいかにもふさわしく、19世紀の女性たちが愛用し、現在では滅びてしまった「ビジュ・ド・デヴォシオン」(bijoux de dévotion 信心の装身具)そのものです。





 十字架はラテン十字ですが、交差部が円盤状、各末端がフルール・ド・リス(百合の花)状となる装飾的なシルエットを有します。手作業による彫金が、十字架の表裏全面に施されています。裏面には四つ一組の点が多数彫られています。本品と同時期である19世紀にフランスで制作されたメダイユには、背景部分をこのような点で埋め尽くした作例が見られます。これらの作例における「四つ一組の点」は、本来は小さな十字架を模(かたど)っていると考えられます。


(下) 浮き彫りの背景を四つ一組の点で埋め尽くした「ノートル=ダム・ド・フルヴィエール」のブロンズ製メダイ。1896年頃の作例。直径 25.4ミリメートル 当店の商品



(下) 浮き彫りの背景を小さな十字で埋め尽くした「ノートル=ダム・ド・フルヴィエール」の銀製メダイ。1852年頃の作例。直径 15.6ミリメートル 当店の商品




(下) 浮き彫りの背景を小さな十字架で埋め尽くしたブロンズ製メダイユ・ド・バプテーム(受洗記念メダイユ)。1869年頃の作例。直径 41.1ミリメートル 当店の商品








 十字架の表(おもて)面は、裏面とは異なるパターンによって彫金が施され、中央交差部には六弁の花が鑞付け(ろうづけ 溶接)されています。この六弁の花は百合で、十字架の各末端のフルール=ド=リスとともに、「純潔」「神による選び」「聖母の加護」を表しています。





 本品は百年以上前のフランスで制作された真正のアンティーク品ですが、表面の金張りも全く剥がれておらず、たいへん良好な保存状態です。 各部の鑞付けにも緩みはありません。十字架表面の歪みや凹みは拡大写真でずいぶん強調されて写っていますが、実物を肉眼で見ても気になりません。

 本品は現在では博物館や美術館でしか見られなくなった「ビジュ・ド・デヴォシオン」であり、18世紀、19世紀の特徴を色濃く残しています。当時のフランス社会の深い宗教性を背景に生まれ、現代のクロスやクルシフィクスとは一線を画する美しいアンティーク・ジュエリーです。





14,700円 販売終了 SOLD

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