優れた照りとグラマラスな曲面　《黒蝶芥子真珠のイヤリング　直径 11ミリメートル》　スターリング・シルバーによる直結ピアス式

　黒蝶真珠のピアス式イヤリング。無核の芥子であるにもかかわらず、直径 11ミリメートルとたいへん大きなサイズです。貝のうちに長く留まった真珠は黒蝶真珠であっても白くなりますが、本品は艶やかな黒色で、瑕疵（かし　欠点）も少なく、たいへん美しい珠です。金具は日本製で、スターリング・シルバーでできています。





　クロチョウガイ（Pinctada margaritifera, Linnaeus, 1758）はアコヤガイ属の海産真珠貝で、学名ピンクタダ・マルガリーティフェラは「真珠を生むピンクタダ」という意味です。ピンクタダはアコヤガイ属の学名です。

　我が国で真珠と言えば真っ先にあこや真珠が思い浮かぶゆえに、アコヤガイ（Pinctada fucata）ではなくクロチョウガイが「真珠を生むピンクタダ」と名付けられていることを不思議に感じます。しかしながら日本人が真珠と聞いてあこや真珠を思い浮かべるのは、古来日本本土に産する海産真珠があこや真珠のみだからであって、これは日本の特殊事情に過ぎません。地理的・歴史的に広い視野で考えれば、アコヤガイが海産真珠貝の代表と看做される何等の必然性も無いことに気付きます。

　クロチョウガイにピンクタダ・マルガリーティフェラという学名を与えたのは、スウェーデン人のカール・フォン・リンネ（Carl von Linne, 1070 - 1778）です。ヨーロッパの海に真珠は産しませんから、リンネの時代にヨーロッパに輸入された海産天然真珠はペルシャ湾のあこや真珠と黒蝶真珠、マナール湾のあこや真珠、新世界産のあこや真珠と黒蝶真珠が主体です。二種の真珠を比べると、あこや天然真珠は直径三ミリメートル以下と小さなサイズです。これに対して黒蝶天然真珠はあこや真珠と同様の色と質感でありながら、はるかに大きなサイズのものが得られ、あこや真珠よりも格段に立派な真珠と感じられたことでしょう。リンネがクロチョウガイを海産真珠貝の代表と看做し、ピンクタダ・マルガリーティフェラと名付けたのは、このような理由によります。





　クロチョウガイは神秘的な黒真珠を産むことで知られます。黒蝶真珠が黒いのは、数千層に及ぶ褐色のコンキオリンが重なっているためです。黒蝶真珠の褐色のコンキオリンは赤、緑、黄色の色素を含むゆえに、黒蝶真珠の色には最も高く評価されるピーコック・グリーンの他、赤みを帯びたもの、青みを帯びたものなど、無数のヴァリエーションがあります。

　女性に最も人気があるあこや真珠は真珠業界でホワイト・ピンクと呼ぶ色の珠ですが、このホワイトとは通常の白（純白）ではなく、薄緑色を指します。緑味が無いまったくの白だと、ピンクに深みが出ないのです。黒蝶真珠においてもあこや真珠と同様に、コンキオリンが有する緑の色素は赤の色素と引き立て合って、単なる茶や黒ではない神秘的で深い色を作り出しています。宝石の美しさを写真で再現するのは難しいですが、本品が微かな緑や赤を含む様子は写真でもご覧いただけます。





　黒蝶真珠は有核、無核に共通してバロックが多く、また鉢巻状あるいは溝状のサークルがしばしば見られます。芥子である本品は無核ですから当然のことながらバロックですが、形は均整が取れています。本品のサークルは溝状にならず、轆轤（ろくろ）で形を整えた回転体のように滑らかで美しい曲面を形成します。

　真珠の美を左右する最も重要な要因は、照り（光沢）です。真珠の形が整っていること、すなわち球に近いことを重視するのは、古来球が完全で美しい形とされてきたことにもよりますが、いま一つにはバロック真珠は一点しかないゆえに宣伝して販売することができないという理由、逆に言えば、球形の真珠なら同じものを大量に作って宣伝し、大量に販売できるという理由があります。天然真珠はほぼ全てが一点ものです。本品は養殖真珠ですが、無核の芥子であるゆえに天然真珠と共通点が多く、天然真珠と同様にユニークな形をしています。形がユニークでも、表面の照り（光沢）が弱かったり、深い溝のようなサークルが刻まれていたりする真珠は美しくありませんが、本品には美しい色と真珠光沢、滑らかで瑕（きず）の少ない表面、ユニークかつグラマラスな形がすべて揃っており、優れたバロック・パールといえます。





　商品写真は極端に拡大撮影しているゆえに、実物では気にならない小さな瑕疵が目立ちます。上の写真でモデルと写っているのは、本品の実物です。この写真でもお分かりいただけるように、本品の実物は拡大した商品写真で見るよりもはるかに美しく、お買い上げいただいた方には必ずご満足いただけます。

　市中に出回る黒蝶真珠はほぼ全てに核が入っていますが、本品は稀少な芥子真珠であり、優良な巻き（真珠層の厚さ）が海の神秘を湛えています。黒蝶真珠の色は単なる黒ではなく、多色を感じさせる深みがあって、さまざまな服装によく合います。本品はどのような機会にも堂々と着用できる高品質の黒蝶芥子真珠であり、日々ご愛用いただけるピアス式イヤリングに仕上がっています。

本体価格　35,000円

電話 (078-855-2502) またはメール（procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp）にてご注文くださいませ。




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