【下】 このメダイのサイズと厚みを、通常サイズの19世紀のメダイと比較してみました。









リヨンの黒い聖母 信心会のブロンズ製大型メダイ 直径 39.1 mm


突出部分を除く直径 39.1 mm

フランス  1859年



 「ノートル=ダム・ド・フルヴィエール」(Basilique de Notre-Dame de Fourvière/Fourvières) のバシリカに安置された16世紀の黒い聖母と、その信心会のメダイ。150年以上前のフランスで、ブロンズを用いて制作されたものです。直径39ミリメートルあまりの大きなサイズで、3ミリメートル近い厚み、20.8グラムの重量があり、手に取るとかなりの重みを感じます。





 メダイの表(おもて)面には、幼子イエズスとともに冠を戴くフルヴィエールの聖母が浮き彫りにされています。聖母子像の足下にある不定形のものは雲で、これによりフルヴィエールの聖母が天上の光輝に包まれる勝利の聖母であることがわかります。フルヴィエールの聖母の左右にはふたりの天使に傅(かしず)いており、頭上にはさらにふたりの天使が冠を捧持しています。

 聖母子はともに戴冠し、豪華な刺繍とリボン飾り、縁には房飾りがある衣に包まれています。衣の前面にある "MA" は、ラテン語で「マリアの庇護のもとに」を表す「アウスピケ・マリアエ」(AUSPICE MARIAE) のモノグラムです。「アウスピケ・マリアエ」はロザリオのセンター・メダル等にもよく見られるモティーフです。聖母の首からは十字架に加えて、神とイエズスへの愛に燃える汚れ無き御心が掛けられ、聖母に倣うようにと見る者に呼びかけています。 メダイの下部には「1859年」(MDCCCLIX) の年号がローマ数字で記されています。メダイの周囲には聖母に執り成しを願う祈りがフランス語で記されています。

  Notre-Dame de Fourvières, priez pour nous.  ノートル=ダム・ド・フルヴィエール(フルヴィエールの聖母)よ、われらのために祈りたまえ。





 メダイの裏面には、ギリシア文字イオタ、エータ、シグマを組み合わせたイエズスのモノグラム (IHS) を最上部に配しています。このモノグラム部分はドーム状に突出しており、「天使のパン」とも呼ばれる聖体を思わせます。IHS の下にはフランス語で次の言葉を記しています。

  Congrégation des Jeunes Hommes de Notre-Dame de Fourvières  ノートル=ダム・ド・フルヴィエール青年信心会

 最下部に刻まれたイニシアル "A. M. D. C."は「神のさらなる栄光のために」(ラテン語 "AD MAJOREM DEI GLORIAM")の意味です。これは有名な引用句で、大バッハ (Johann Sebastian Bach, 1685 - 1750) も楽譜にたびたび書き込んでいますが、もともとはイエズス会の創設者である聖イグナティウス・デ・ロヨラ (San Ignacio de Loyola, 1491 - 1556) が最初に使ったとされる言葉です。

 本品は縁に高さがあるために、メダイの浮き彫り部分が保護されて、聖母の衣の模様や房飾り、天使の衣の襞(ひだ)、天使の翼の羽毛、聖母の足下の雲など、細部までよく残っています。商品写真は実物をおよそ12倍の面積に拡大していますから、突出部分の摩耗が判別できますが、肉眼で見ても気になりません。制作年代の古さを考えると、驚くほど良好な保存状態といえましょう。メダイの実物は真正のアンティーク品ならではの重厚なパティナ(古色)に被われ、商品写真よりもはるかに美しい聖品です。手にされる方には必ずご満足いただけます。





本体価格 22,000円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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