極稀少品 百合に飾られたピレネーの聖母 《ノートル=ダム・ド・ラ・ドレシュ》 驚くべき細密彫刻によるアール・ヌーヴォーの銀無垢メダイ 18.5 x 15.4
mm
突出部分を含むサイズ 縦 18.5 x 横 15.4 mm
フランス 19世紀末から 1914年頃
オクシタニー地域圏タルヌ県アルビ近郊の町ルスキュル=ダルビジョワ (Lescure-d'Albigeois) にある聖母マリアの巡礼地、ノートル=ダム・ド・ラ・ドレシュ (Notre-Dame de la Drèche) の稀少なメダイ。
聖母子像は制作された時代ごとに特有の様式を有します。「ノートル=ダム・ド・ラ・ドレシュ」は十二世紀に制作されたロマネスク様式の聖母子像で、着座した上智の座の聖母、及び聖母の左膝に座る幼子イエスがいずれもまっすぐに正面を向き、像に向き合う巡礼者を救いに招いています。ノートル=ダム・ド・ラ・ドレシュは「癒し(salut)の聖母」として病者の崇敬を集めていますが、フランス語のサリュ(salut)には「救い」の意味もあります。
本品は小さいサイズながらも銀でできており、上部の環に「イノシシの頭」のポワンソン(貴金属の検質印、ホールマーク)が刻印されています。「イノシシの頭」が示す純度八十パーセントの銀は、フランスの信心具に使用される最も高級な素材です。
本品の中央には、母子ともに戴冠したノートル=ダム・ド・ラ・ドレシュが浮き彫りで表されています。布目模様による半艶消しの空間を背に銀の光を放つノートル=ダム・ド・ラ・ドレシュは、母子ともに正面を向いた姿勢と相俟って、サイズを超えた迫力を感じさせます。
上の写真に写っている定規のひと目盛りは、一ミリメートルです。本品の浮き彫りにおいて、聖母子の顔は直径一ミリメートルの極小サイズですが、目鼻立ちが整っているばかりか、悩みと苦しみを抱えて聖母の前に立つ巡礼者を、無限の愛と慈しみで包み込んでいます。聖母子像各部のプロポーションは実物のノートル=ダム・ド・ラ・ドレシュを正確に写しており、大型の作品に引けを取らない臨場感と迫真性を有します。
ノートル=ダム・ド・ラ・ドレシュの浮き彫りは、聖母を象徴する百合に囲まれています。百合の曲線的意匠は日本美術の影響を受けたアール=ヌーヴォー様式で、本品では美しい透かし細工となっています。
裏面にはフランス語で「ノートル=ダム・ド・ラ・ドレシュ巡礼記念」(souvenir de Notre-Dame de la Drèche)の文字が刻まれており、この聖母子を訪ねてピレネーの聖地を訪れた人がいたことを知らせています。
本品は今から百年以上前、ベル・エポック期のフランスで制作された品物です。第一次世界大戦以前のフランスでは貧富の差が現在以上に大きく、本品のような銀無垢メダイを普通の人が手にすることは困難でした。小さいながらも銀を使い、充分な厚さに仕上げた本品の作りからは、聖母に最高のものを捧げたいと願う巡礼者の篤実な信仰心が伝わってきます。
ルスキュル=ダルビジョワはルルドと同じ地域圏にあり、聖ドミニコが聖母からロザリオを与えられた場所として知られています。しかしながらルスキュル=ダルビジョワはルルドのような大巡礼地ではないゆえに、ノートル=ダム・ド・ラ・ドレシュのメダイは滅多に見つかりません。とりわけ本品は銀製で、作られた数がそもそも少なく、二度と手に入らない稀少品です。
本品は真正のアンティーク品ですが、古い年代にも関わらず、保存状態は極めて良好です。突出部分の摩滅も最小限で、驚異的に精緻な浮き彫りの細部がよく残っています。商品写真は実物を百倍以上の面積に拡大しているため、肉眼では見えない摩滅が判別できますが、肉眼で見る実物は写真よりもずっと綺麗です。小ぶりのサイズは愛用のペンダントとして常に身に着けるのに適しています。
本体価格 12,800円 販売終了 SOLD
電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。
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