20世紀初頭に活躍したフランスのメダイ彫刻家、ピエール・ラセール (Pierre Lasserre) の手による稀少なアート・メダル。子供が初めて聖体拝領を受けた記念のメダルで、フランスにおける800シルバー (純度 800/1000の銀) のホールマーク、イノシシの頭が吊り輪に刻印されています。
表(おもて)面中央には若きマリアの横顔を浮き彫りにし、マリアの象徴であり純潔の象徴でもある白百合をこれに重ねています。マリアの前方斜め上には、雲の上すなわち天上にある聖体と聖杯が浮き彫りにされています。
マリアは無原罪の御宿り、すなわち原罪を有さない方ですから、聖体拝領とすぐには結び付きませんが、メダイ彫刻家ラセールは、カトリック信徒にとって幼子イエズスに次いで親しみ深い少女マリアをメダイにデザインすることにより、初聖体を受ける子供がマリアに倣う生き方、信仰を身に付けるように願う気持ちを表したのでしょう。
メダイの裏面には、聖体パンの原料である小麦と、ワインの原料であるブドウが浮き彫りにし、次の言葉をフランス語で記しています。
Souvenir de 1ère communion 初聖体の記念
およそ 100年前の古いメダイですが、摩耗はほとんど見られず、細部までよく残っています。このメダイも他のものと同様、実物のほうが写真よりもずっと美しいです。