「ロサ・ミスティカ」 薔薇に囲まれた少女マリア 無原罪の御宿り 円形の大型メダイ 直径 25.3 mm


突出部分を除く直径 25.3 mm  最大の厚さ 3.2 mm  重量 8.1 g

フランス  1910 - 20年代



 現行の五百円硬貨(直径 26.5 mm)とほぼ同じ大きさのメダイ。五百円硬貨の重量が 7.0グラムであるのに対して本品は 8.1グラムの重量があり、手に取ると心地よい重みを感じます。





 メダイの表(おもて)面にはマリアの横向き半身像を浮き彫りにし、周囲を薔薇で埋め尽くしています。聖母の後光には「ロサ・ミスティカ」(ROSA MYSTICA) の文字が読み取れます。

 「ロサ・ミスティカ」とはロレトの連祷にある聖母マリアの称号の一つで、ラテン語で「神秘の薔薇」、「奇(くす)しき薔薇」という意味です。5世紀のラテン詩人セドゥーリウスが「カルメン・パスカーレ」("CARMEN PASCHALE" ) で歌ったように、棘のある繁みから生え出でつつも傷つくことなく美しい薔薇の花は、人祖の妻エヴァと同じく女性でありながらも、エヴァの罪に傷つくことがない無原罪の御宿り、すなわちマリアの象徴です。

 このメダイユにおいて、マリアは十代半ばの少女として表されています。髪を慎ましやかにヴェールで被ったマリアはまっすぐに前を見て、ガブリエルから告知された「救い主を生む」という役割に思いを潜め、これから先に起こるであろう出来事を見通そうとしているかのように見えます。


 マリアの周囲を薔薇が埋め尽くす描写は、マリアが「薔薇の園」(ロサーリウム、すなわちロザリオ)にいることを表現しています。薔薇の園の中にマリアを描くのは、中世以来のキリスト教の伝統的表現です。


(下・参考画像) Stefan Lochner, Muttergottes in der Rosenlaube, um 1448, Holz, 51 x 40 cm, Wallraf-Richartz-Museum, Köln








 メダイの裏面には百合とリボンを浮き彫りにしています。強い香気によって純潔を表す百合は、聖母マリアの象徴でもあります。旧約聖書の恋の歌「雅歌」に登場する美しい乙女は、無条件の信仰ゆえに神の眼に適(かな)う女性として選ばれた少女マリアの前表であるとされています。この乙女について、「雅歌」2章2節は次のように美しさを称えています。

  Sicut lilium inter spinas, sic amica mea inter filias. (Nova Vulgata 2: 2)  おとめたちの中にいるわたしの恋人は 茨の中に咲きいでたゆりの花。 (雅歌 2: 2 新共同訳)


 リボンは名前や記念の日付を彫ることができるスペースですが、現状では何も彫られていません。





 このメダイは百年近く前のフランスで制作されたものです。大きな商品写真は実物の面積を二十数倍に拡大しているゆえに小さな瑕疵(かし 欠点)が判別できますが、肉眼で実物を見るとたいへん美しく立派な作品です。聖母の顔や薔薇の花の突出部分にも磨滅は全く無く、細部まで制作当時のままで残っています。





本体価格 8,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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