聖人に列せられた有徳のフランス国王、聖王ルイ(ルイ九世)のメダイ。
表(おもて)面では王冠を被り、フルール・ド・リス(fleur de lys フランス語で「百合の花」の意)の紋章が付いたマント姿の聖王ルイ、フランス国王ルイ九世が浮き彫りにされています。ルイは先端部がフルール・ド・リスになった王笏を右手に、クッションに乗せた茨の冠を左手に持っています。肖像の周囲には「聖ルドヴィクス」(SANCTUS
LUDOVICUS) と書かれています。「ルドヴィクス」は、フランス語「ルイ」 (Louis) のラテン語形です。
裏面には南西方向から見た旧カルタゴ司教座聖堂サン=ルイが精緻な浮き彫りによって表現され、「カルタゴの聖地」(Sanctuaire de Carthage) という言葉が添えられています。チュニジア独立に伴って、司教座聖堂はその役割を失い、ノートル=ダム・ド・カルタジュもチュニス司教座聖堂に移されましたが、このメダイが鋳造されたのはカルタゴ司教座聖堂が完成して間もない頃で、ノートル=ダム・ド・カルタジュの像も、聖王ルイの聖遺物も、この聖堂に安置されていました。
突出部分に摩耗が見られますが、百年近く前のものとしては十分に良好なコンディションです。写真に写っていませんが、ご希望により無料で環を取り付けます。