直径およそ 3センチメートルの大型メダイ。500円硬貨二枚分に相当する14グラムの重量があり、手に取るとかなりの重みを感じます。
本品に浮き彫りにされた少女ジャンヌ・ダルク (Jeanne d'Arc, c. 1412 - 1431) は、総重量20キログラムに及ぶ 15世紀の甲冑を身に着けて馬に乗り、天上を見上げています。頭上に掲げた軍旗に描かれているのは、15世紀の中世フランス語綴りで書かれた「神、それを望み給う」(Dieu
le veult.) という言葉、ならびに、オルレアン解放の功績によりシャルル7世から下賜された「デュ・リス」(du Lys) 家の紋章です。
「神、それを望み給う」(羅 DEUS VULT!)は、1095年11月27日、クレルモン教会会議で十字軍の派遣が決定された際、人々が口々に叫んだ言葉として有名ですが、ジャンヌ・ダルクの図像において、軍旗に記されることも多くあります。
裏面には、オルレアン司教座聖堂サン=クロワの西側正面が浮き彫りによって表現されています。
1428年秋、ブルゴーニュ派とイングランドの連合軍はフランス中部に進軍し、オルレアンを包囲して攻撃を開始しました。この頃「フランスを救え」という神のお告げを聞いた16歳の少女ジャンヌは、王太子シャルルとの面会に成功して数千人の軍勢を託され、わずか1週間ほどでオルレアンを解放しました。
このメダイは数十年前にフランスで製作されたものですが、未販売の新品(デッドストック品)です。真正のヴィンテージ品ならではの味わいと、制作当時のままの良好な保存状態を兼ね備えた稀少品であるうえに、立体的な浮き彫りを大きなサイズで表し、立派な作品に仕上がっています。