1830年、パリ、バック通りの愛徳姉妹会礼拝堂で聖母を幻視し、「不思議のメダイ」の制作を命じられたことで知られるカトリーヌ・ラブレ (Ste. Catherine Labouré, 1806 - 1876) のメダイ。カトリーヌ・ラブレは
1947年に列聖されました。本品はカトリーヌが列聖されて間もない頃にフランスで制作されたものです。上部の環に、製造国を示す「フランス」(FRANCE)
の文字があります。
メダイの一方の面には、愛徳姉妹会の修道衣を身に着けたカトリーヌの姿が、立体的な浮き彫りで表されています。愛徳姉妹会の大きなコワフ(coiffe 頭巾)を被り、腰にロザリオを提げたカトリーヌは、胸の少し下あたりに手を組んで、穏やかな表情でこちらを見ています。カトリーヌの半身像を取り巻くように、フランス語で「サント・カトリーヌ・ラブレ」(Sainte
Catherine Labouré 聖カトリーヌ・ラブレ)と刻まれています。
メダイのもう一方の面には、1830年7月19日未明、修道院礼拝堂において、聖母の膝に寄り掛かりつつ甘美な時を過ごす修練女カトリーヌの姿が浮き彫りにされています。バック通りの愛徳姉妹会の外壁にもこれと同様の彫刻か設置されています。聖母とカトリーヌを取り巻くように、次の言葉がフランス語で記されています。
J'ai été etablie gardienne. 神はわたしを守り手と為(な)し給いました。
上の写真に写っている定規のひと目盛は 1ミリメートルです。聖母とカトリーヌの顔や手はいずれも 1ミリメートルほどの大きさですが、人体各部の比例が正しいばかりか、視線の向きや表情に現れた心情までが、大型彫刻に劣らない巧みさで表されています。
本品は数十年前のフランスで制作された真正のヴィンテージ品です。表面のめっきが部分的に剥落していますが、メダイユ自体は突出部分においても磨滅せず、制作当時のままの状態で残っています。「不思議のメダイ」は信心具としての小さなものが非常に多く作られていますが、聖母の顕現を受けた修道女カトリーヌ・ラブレのメダイはほとんど作られておらず、手に入りにくい稀少品です。
商品写真はメダイの面積を数十倍に拡大しているうえに、コントラスト(明暗や色の差)を実物よりもはるかに強く再現するので、めっきの剥落などが過度に強調されて、あまり綺麗に見えません。しかしながら実物を肉眼で見てもめっきの剥落はほとんど識別できず、全く気になりません。本品は写真よりもずっと美しく、必ずご満足いただけます。