幼いマリアを教育する聖アンナのメダイ。メダイの表(おもて)面には聖アンナとまだ幼い娘マリアが温かみのある浮き彫りで表現されています。
天を指差す聖アンナは、神を敬うことを娘のマリアに教えているのでしょう。幼いマリアは素直に手を合わせ、母はそんな娘を見て情愛深いほほえみを浮かべています。冠と後光がなければごく普通の母と子にも見える、細やかな愛情が通い合う場面です。表(おもて)面の右端にメダイ彫刻家のサイン、上部の吊輪に「フランス」(FRANCE)
の刻印があります。
裏面には直径わずか 9.9ミリメートルの円内に、非常に精緻な浮き彫りによってサンタンヌ・ド・ボープレのバシリカが表現されています。商品写真は面積にして 160倍以上に拡大していますが、これだけ拡大してもバシリカの描写に欠点が見つかりません。聖堂脇の木々や空の雲まで表現されています。このメダイを製作した彫刻家がどれだけ素晴らしい技術の持ち主であったかがよくわかります。円内の周辺部分には「サンタンヌ・ド・ボープレ」(Ste-Anne
de Beaupré)、「バシリカ」(Basilica) と書かれています。
情愛細やかな母と子に通い合う細やかな情愛と、壮大な規模のネオ・ロマネスク建築を、直径 1センチメートルほどの空間に表現したすばらしいメダイです。小さなサイズにかかわらず、歴史の重み、愛の温かさ、彫刻家の精進を感じさせてくれます。