エウカリスチア(聖体拝領)をテーマに制作されたフランスのメダイ。
表(おもて)面に浮き彫りにされているのは、最後の晩餐のときのイエズスと使徒ヨハネで、ヨハネによる福音書 13章に記述があります。主イエズスが弟子たちのなかでも特に愛された若者ヨハネは、主の隣で過ぎ越しの食事の席に着いています。食事が始まるとき、イエズスは、まもなく自分が弟子の一人に裏切られるという予告をします。シモン・ペトロがヨハネに向かって、主が誰のことを言っておられるのか尋ねるように合図をし、ヨハネはイエズスの胸元に寄りかかったまま、「主よ、それは誰のことですか」とイエズスに訊ねています。
参考画像 同じ場面を描いた小聖画 いずれも当店の商品です。クリックすると拡大画像が見られます。
裏面には雲上で聖体を崇めるふたりの天使を浮き彫りにしています。聖杯の上に浮かんで光を発する聖体には、イエズスを表すギリシア文字のモノグラム、イオタ、エータ、シグマが見えます。聖体を崇める天使たちを描いた作品には、「天使のパン」という表題が付いていることがよくあります。「天使のパン」という言葉はトマス・アクィナス (St. Thomas Aquinas, c. 1225
- 1274) が書いた「サクリース・ソレムニイース」(SACRIS SOLEMNIIS) に出てきます。
Panis angelicus fit panis hominum; dat panis caelicus figuris
terminum; O res mirabilis: manducat Dominum pauper servus et humilis. |
天使のパンが、人のパンになる。天のパンにより、数々の予表が終わりを告げる。 なんと驚くべきことであろう。貧しく卑しき身の僕(しもべ)が主を食べるとは。 |
参考画像 「天使のパン」の小聖画 いずれも当店の商品です。クリックすると拡大画像が見られます。
このメダイは 90年ほども前に鋳造されたもので、表面の突出部分が磨滅していますが、図柄はよく確認できます。表面の磨滅は真正のアンティーク・メダイならではの味わいとお考えください。