最後の晩餐のカード

ゼラチン・シルバー・プリント  103 x 55 mm

20世紀初頭 イタリア


絵画を写真に撮ったもの。おそらくゼラチン・シルバー・プリントと思われます。

宗教的テーマのカード製作に使われる技法としては、たいへん珍しいものです。


描かれているのはヨハネによる福音書 13章の最後の晩餐の場面で、卓上にはパンとぶどう酒が置かれています。

まもなく弟子の一人に裏切られるという予告をした主イエズスに向かって、主が愛された弟子ヨハネがペトロに促され、

「それは誰のことですか」とイエズスに訊ねています。(ヨハネによる福音書 13: 25)

ペトロの背後で立っているのはイスカリオテのユダでしょうか。

窓の向こうにはエルサレムの街の建物と、死の象徴でもあるイトスギが見えています。


裏側にはオランダ語の印字があり、

1937年3月14日に、ベルギー、ブリュッセル郊外の町ディルベーク (Dilbeek) にある幼きイエズスの聖テレジア教会で、

少女が初聖体(初めての聖体拝領)を受けた記念のカードであることがわかります。


日付の下にはオランダ語で次の言葉が記されています。

In U, o Heer, geloof ik, in U stel ik al mijn vertrouwen. U bemin ik.

(主よ。あなたを信じます。すべての信頼をあなたに置きます。主よ。愛しています。)


裏面最下部には次の文字があります。

F. Penez-Delhaye, Anderlecht

アンダーレヒト (Anderlecht) はブリュッセル近郊の街です。裏面を印刷した版元がこの街にありました。


(参考価格 4,200円)


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