ノートル=ダム・ド・ポンマン 青のシャンルヴェ ペンダントにもなる巡礼のピン ラヴァル司教区 40.2 x 25.9 mm


縦 40.2 mm x 横 25.9 mm

フランス  20世紀前半



 六色のガラス・エマイユによる美しいアンシーニュ。「アンシーニュ」(仏 insigne)とは所属を示す徽章(きしょう、ピン)のことで、本品はラヴァル司教区が組織した巡礼団のものです。ラヴァル(Laval ペイ・ド・ラ・ロワール地域圏マイエンヌ県)はフランス北西部、ポンマンの南にある都市で、十一世紀に起源を遡る司教座聖堂ラ・サント=トリニテ(La cathédrale de la Sainte-Trinité de Laval 聖三位一体司教座聖堂)があります。ポンマンの村はラヴァル司教区に属します。





 本品にはノートル=ダム・ド・ポンマン(Notre-Dame de Pontmain ポンマンの聖母)があしらわれています。通常の図像とは違い、聖母は両足を開き気味にした姿で表されています。聖母の衣は微風にそよいでいます。この姿は地面を踏みしめて立っているようには見えませんが、実際のところ、ポンマンの聖母は空中に現れ給うたのでした。重力の支配を受けないその姿は、聖母が罪の支配を受けない無原罪の御宿りであることを示しています。特徴的な冠を被った聖母は、腕木が二本ある赤白二色のクルシフィクスを胸の前に掲げています。聖母の衣は青く、表面にはたくさんの星が輝いています。

 本品のエマイユ・シャンルヴェは、を主体にしています。天空の色である青は、天国を象徴します。さらに青は智慧の色でもあります。主任司祭ゲラン神父や村の修道女たちをはじめ、ポンマンの大人たちは聖母の姿を見ることができませんでしたが、子供たちの言うことを信じて、聖母の祝福を受けました。それゆえ聖母の衣の青は、ポンマンの村人たちが示した「信仰の智慧」(信仰という智慧)を、神が祝福し給うたことを表しています。





 本品のエマイユはシャンルヴェ(仏 l'émail champlevé)と呼ばれる技法で、三色の青に加えて、白、半透明の赤、透明な肌色のガラスを使用しています。中世以来のフランスでは、エマイユ・シャンルヴェによる美しいい作品が、リモージュを中心に数多く生み出されてきました。本品もおそらくリモージュで制作されたものです。





 本品は数十年前のフランスで制作された真正のヴィンテージ品ですが、古い年代にもかかわらず良好な保存状態です。裏側に取り付けられた針は滑らかで、問題なく布地に通ります。バネも良く効いており、着用中に脱落する心配はありません。





 本品は縦長のデザインであり、裏側の針が縦方向に取り付けられています。それゆえ本品の裏側にチェーンまたはひもを通せば、ペンダントとして使うことができます。上の写真はペンダントとして使った着用例です。





本体価格 11,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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