アルフェ・デュボワ作　ベル・エポックの美麗メダイユ　農業労働者を知識へ導くマリアンヌ　ブロンズ製


メダイユの直径　50.5 mm　　厚さ　最大 5.2 mm　　重量　62.8 g

フランス　　1880 - 90年代頃

　フランス共和国農業省の依頼により、アルフェ・デュボワ (Alphée Dubois, 1831 - 1905) が制作した典雅なメダイユ。





　表（おもて）面には、豊かに実った小麦の束を抱える女性を手前右に、種を播く男性を遠景に、それぞれ浮き彫りにしています。手前左の一段高いところに立って、右側の女性の肩に手を添え、教え導いているのは、フリジア帽をかぶったマリアンヌ、すなわちフランス共和国です。マリアンヌの傍らには「知識」(science) を象徴する書物が置かれています。マリアンヌ、すなわちフランス共和国は、書物と右側の女性の間に立って、知識を農業労働者に伝える仲立ちとなっているのです。

　マリアンヌの足下には、オリーヴの枝とナツメヤシの葉が見えます。オリーヴの枝は小麦とともにフランス本国の農作物を、ナツメヤシの葉は海外領土・植民地の作物を、それぞれ象徴しています。

　マリアンヌの頭を飾るオリーヴは、科学的知見に基づく農法の成功、フランス共和国の勝利を表しています。ラテン語式綴りによる「フランス共和国」(REPVBLIQVE FRANCAISE) の文字がこれらの図像を取り囲んでいます。画面の最下部に彫刻家アルフェ・デュボワの署名 (ALPHEE DUBOIS) が刻まれています。





　メダイユの裏面には農作物を背景に 18世紀風のロカイユがあしらわれ、フランス語で「農業組合」(ASSOCIATIONS AGRICOLES) と書かれています。その下のリボンには「知識」(SCIENCE)、「労働」(LABEUR) と書かれています。メダイユの周囲にはラテン語式綴りのフランス語で「農業省」(MINISTÈRE DE L'AGRICVLTVRE) と書かれ、最下部に彫刻家のイニシアル (A.D.) が刻まれています。





　科学的知見に基づいた農法と、それによる豊かな収穫というテーマを、いかにも19世紀らしい優美なデザインで描き出したこのメダイユは、表現様式の点でも、内容の点でも、まさにこの時代の物でしかあり得ない作品となっています。

　メダイユのコンディションは非常に良好で、百数十年前のものとはにわかに信じ難いほどです。表裏いずれの突出部分にも摩耗は無く、製作当時のままの状態で、真正のアンティーク品ならではのパティナ（古色）が全体を均一に被っています。ご希望により、別料金にてメダイユを額装いたします。額装料金は使用する額によって異なります。

メダイユの価格　38,000円　（税込・額装別）

電話 (078-855-2502) またはメール（procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp）にてご注文くださいませ。




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