稀少デッド・ストック品 アメシスト色のエマイユ・シャンルヴェ ルルドの聖母のフランス製ロザリオ 全長 59 cm
ロザリオの全長 59 cm
クルシフィクスを下にしてロザリオを吊り下げたときの、ロザリオ上端からセンター・メダル上端までの長さ 43 cm
クルシフィクスのサイズ 38.8 x 21.8 mm
ビーズの長さと直径 8 x 6 mm (概寸)
フランス 20世紀中頃
1960年代頃のフランスで制作されたシャプレ・ド・ラ・ヴィエルジュ(chapelet de la Vierge 聖母のロザリオ)。紫色のガラス・ビーズとガラス・エマイユ、シルバーに輝く金属部分の取り合わせが、清楚な高貴さを感じさせる一品です。
本品のクロスはシンプルなシルエットで、左右対称の幾何学的デザインによる装飾パターンが彫られています。装飾パターンは交差部の十字架から発出する放射状の光、矢羽状の彫金、規則的に重なった同心円が組み合わさっており、色濃いアール・デコ様式となっています。この彫金細工にガラスを掛けて焼成することにより、エマイユ・シュル・バス・タイユ、すなわち下地の彫金を見せる半透明ガラスのエマイユ作品としています。
本品はエマイユもビーズも紫のガラスでできています。キリスト教の象徴体系において赤は愛、青は知恵を表すゆえに、その中間色である紫は「愛ある知恵」、「知恵ある愛」を表します。また赤は地上、青は天上を表すゆえに、紫は天地を繋ぐ恩寵の器、聖母マリアを象徴します。
紫はアメシストの色でもありますが、アメシスト (amethyst) の語源であるギリシア語の形容詞「アメテュストス」(ἀμέθυστος) は「酔わない」という意味です。これは酒に酔わないという意味のみならず、誤った思い込みに直結しがちな精神的陶酔に陥らないという意味でもあります。ガブリエルに受胎を告知された際、歳若いマリアは「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」と動じることなく答え、七つの悲しみを経験しても神への信仰を失いませんでした。このことはマリアが一時的に高まった熱狂的信仰によってではなく、心の深奥にしっかりと根を張った不動不変の信仰によって、受胎告知を受け容れたことを示します。それゆえアメシスト色は「マリアの信仰の色」でもあります。
フランス語で「クール」(cœur 心臓、ハート)と呼ばれるセンター・メダルは下部の幅が狭くなっており、ハート形を発展させた造形となっています。
クールの中心部にはエマイユ・シュル・バス・タイユによって歳若きマリアの横顔を表しています。ナザレの少女マリアは信仰の象徴であるヴェールを被り、口許に微かな微笑みを浮かべて、瞑目しつつ神との親しき対話に沈潜しています。天使に受胎を告知されるという異常な出来事に遭遇しながら、マリアがその端正な横顔に何らの動揺も浮かべていないのは、アブラハムやヨブにも勝り、救い主の母となるべく神の眼に適(かな)った深い信仰ゆえです。
クールの裏面にはルルドの岩場に現れたマリアとその前に跪くベルナデットが浮き彫りにされています。マリアの高さは 6ミリメートル、ベルナデットの高さは 5ミリメートル、頭部の高さは 1ミリメートルですが、聖母が手首に掛けたロザリオや衣の襞などの細部に至るまで、大型の浮き彫り彫刻作品と同様の丁寧さで仕上げられています。このように見事なミニアチュール彫刻は、メダイユ芸術が最も発達した国であるフランスのロザリオならではの特徴です。
本品のビーズはガラスでできており、十八面のファセット(小さなカット面)を有します。おおよそのサイズは長径 8ミリメートル、短径 6ミリメートルです。ビーズは型に流し込んで成形したのではなく、すべて手作業でカットされているため、ファセットの形と大きさは少しずつ異なります。
本品は数十年前に制作された真正のヴィンテージ品でありながら、未販売の新品であるゆえに、制作された当時のままの良好な保存状態です。ガラス製ビーズはすべて揃っており、特筆すべき破損はありません。エマイユの亀裂や剥落もありません。チェーンの強度も問題ありません。
本体価格 21,800円 販売終了 SOLD
電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。
聖母のロザリオ(5連) 20世紀中頃までのもの 未販売商品の商品種別表示インデックスに戻る
聖母のロザリオとシャプレ 一覧表示インデックスに戻る
聖母のロザリオ(5連) 商品種別表示インデックスに移動する
聖母のロザリオとシャプレ 商品種別表示インデックスに移動する
ロザリオとシャプレ 商品種別表示インデックスに移動する
キリスト教関連品 商品種別表示インデックスに移動する
アンティークアナスタシア ウェブサイトのトップページに移動する
Ἀναστασία ἡ Οὐτοπία τῶν αἰλούρων ANASTASIA KOBENSIS, ANTIQUARUM RERUM LOCUS NON INVENIENDUS