稀少品 ビクファヤの解放の聖母 ノートル=ダム・ド・ラ・デリヴランスの大型プラケット 瞑想する百合の聖母 32.9.x.24.7 mm


突出部分を除くサイズ 縦 32.9 x 横 24.7 mm  最大の厚さ 3.5 mm

重量 13.4 g


フランス  二十世紀前半または中頃



 レバノンの首都ベイルートから東に二十五キロメートル離れた町ビクファヤ(Bikfaya/Bikfaia)に、ノートル=ダム・ド・ビクファヤという聖堂があります。

 1837年、イエズス会の宣教師レモン・エステーヴ神父(le Père Raymond Estève)が、新築されたこの聖堂を祝別しようとしたときのこと、神父が聖フランソワ・レジスの御絵を主祭壇上に置こうとしたところ、信徒たちは口々にアヴェ・マリアを唱えました。エステーヴ神父は驚きましたが、信徒たちの声のうちに神の御旨を読み取って、聖フランソワ・レジスの御絵を祭壇の端に置き、祭壇の中央にはローマから持参したノートル=ダム・ド・ラ・デリヴランス(仏 Notre- Dame de la Délivrance 解放の聖母)の聖画を置きました。これが後にノートル=ダム・ド・ビクファヤ(仏 Notre-Dame de Bikfaya/Bikfaia ビクファヤの聖母)の名で知られるようになった聖画です。





 本品はエステーヴ神父の聖画を忠実に写したプラケット(四角いメダイユ)で、突出部分を除くサイズは縦三十三ミリメートル弱、横二十五ミリメートル弱です。材質はおそらくマユショル(仏 maillechort 洋銀)で、五百円硬貨二枚分に近い重さがあります。聖画を忠実に写したプラケット、といっても、元の聖画は二次元の絵であり、本品は浮き彫り彫刻ですから、素材と表現方法が根本的に異なるわけですが、それにもかかわらず彫刻という手段で絵画を忠実に再現しているのは、メダイユ彫刻家のきわめて優れた技量が為せる業です。

 エステーヴ神父が主祭壇に置いたノートル=ダム・ド・ラ・デリヴランス(解放の聖母)の聖画は、現在、ノートル=ダム・ド・ビクファヤの聖堂内に造られた小さな礼拝堂に安置されています。大勢の巡礼者を迎えるわけでもなく、人を驚かすような奇跡も起こしていませんが、ノートル=ダム・ド・ラ・デリヴランスの壁龕の前に座り、聖母の姿に倣って心静かに祈り、さまざまな事からの解放と救いを求める人たちを見守っています。





 本品に彫られたマリアの姿もあくまでもつつましく、一見すると、どこにでもいる若い女性のようにも見えます。しかしながら薄絹でできた花嫁のヴェールを被ったマリアは、ただ結婚を喜ぶ普通の女性とは違い、胸の前に手を合わせつつ、自分が信仰によって選び取った役割について、心静かに神と語り合っています。

 神はマリアを選び給い、マリアは「御心通り、この身に成りますように」と答えて、神による選びを受け容れました。我々一人ひとりもまた、神が見守り給う中、自らの意志により、道を選び取らねばなりません。瞑目して祈るマリア、ノートル=ダム・ド・ラ・デリヴランスは、正しい道を選ぼうとする我々の心を日常の雑念から解放し、静かに瞑想しつつ過ごすビクファヤの礼拝堂へと運んでくれます。




(上) イル・サッソフェラート作 「悲しみの聖母」 石版によるアンティーク小聖画 98 x 60 mm イタリア 二十世紀中頃 当店の商品です。


 ビクファヤのノートル=ダム・ド・ラ・デリヴランスは、イル・サッソフェラート(Giovanni Battista Salvi da Sassoferrato, 1609 - 1685)による油彩画を複製した聖画で、瞑目して祈る少女マリアの胸から上を大きく描いた単身像です。マリアは豪華な衣装も着けず、戴冠もせず、農民の娘のように質素で親しみやすい姿に描かれています。イル・サッソフェラートの原画はペルージアのウンブリア国立美術館(la Galleria Nazionale dell'Umbria, Perugia)に収蔵されています。





 プラケットの裏面には装飾的な字体のフランス語で「ノートル=ダム・ド・ラ・デリヴランス、ビクファヤ」(Notre-Dame de la Délivrance, Bikfaia ビクファヤ、解放の聖母)と刻まれ、写実的な百合があしらわれています。高い徳と純潔、神による選び、神の摂理への信頼を表す百合は、卓越的にマリアを象徴する花です。

 ビクファヤはベイルート近郊の町であり、たびたびテロリズムの脅威にさらされます。最近では2007年2月13日、通勤時間帯である朝七時二十八分に二台のバスで爆発が起こり、三名が死亡、二十一名が負傷しました。どちらのバスも通勤客で満員で、座席の下に仕掛けられた爆弾には、殺傷力を増すために多数の金属片が詰め込まれていました。このような報道に接すると、ビクファヤの聖堂でノートル=ダム・ド・ラ・デリヴランスの前に頭を垂れる罪なき人々の命を、神が悪意と暴力から守り給うよう、聖母に執り成しを祈らずにはいられません。





 本品は数十年前のフランスで制作されたプラケット(四角いメダイユ)で、わずかに磨滅して丸みを帯びた突出部分が、おとめマリアの似姿にふさわしい優しさを感じさせるアンティーク品(ヴィンテージ品)となっています。上の写真は本品を男性の手に載せて撮影しています。女性が本品の実物をご覧になれば、上の写真で見るよりも一回り大きなサイズに感じられます。





 ビクファヤのノートル=ダム・ド・ラ・デリヴランスを彫ったメダイはたいへん珍しく、めったに手に入りません。とりわけ本品のように大きなサイズの作例は、筆者(広川)自身初めて目にしました。上の写真のモデルは女性ですが、男性にも十分にお使いいただける立派なサイズの作品です。





本体価格 15,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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