リュドヴィク・ペナンとジャン・バティスト・ポンセの共作 ノートル=ダム・ド・フルヴィエール 戴冠する聖母 32.1 x 17.2 mm


突出部分を含むサイズ 縦 32.1 x 横 17.2 mm

フランス  1900年



 「ノートル=ダム・ド・フルヴィエール」(Basilique de Notre-Dame de Fourvière) のバシリカに安置された聖母子像が 1900年に戴冠した際の記念メダイ。いずれの面も、リヨンのメダイ彫刻家であるリュドヴィク・ペナンとジャン・バティスト・ポンセの共作です。





 本品において、リヨンの聖母「ノートル=ダム・ド・フルヴィエール」は幼子イエズスとともに冠を被り、天上に上げられて燦然たる光輝に包まれ、ふたりの天使にかしずかれています。聖母の衣は母子の一体性を強調するタイプで、豪華な刺繍が施されています。地上にはリヨンを象徴するライオンの姿があり、遠景にはリヨンを一望するフルヴィエールの丘と、丘の上に建つ聖母のバシリカが浮き彫りにされています。





 もう片方の面には幼子イエズスを腕に抱いたまま、天上においてふたりの天使から冠を受ける聖母の姿が浮き彫りで表されています。聖母子はマンドーラ(紡錘形の光背)を背に光輝に包まれています。十二使徒すなわち教会を象徴する12個の星が、マンドーラを取り囲んでいます。

 聖母の足の下にある三日月はヨハネの黙示録 12: 1に基づくもので、通常は無原罪の御宿りの単身像に用いられる表現です。幼子を抱いたマリアにこの表現がなされるのは、たいへん稀な事例といえます。


 本品の浮き彫りの原作者であるリュドヴィク・ペナン (Ludovic Penin, 1830 - 1868) は、19世紀前半以来四世代にわたってメダイユ彫刻家を輩出したリヨンのペナン家の一員です。豊かな才能を認められ、弱冠34歳であった1864年、当時の教皇ピウス9世により、カトリック教会の公式メダイユ彫刻家 (graveur pontifical) に任じられましたが、惜しくもその4年後に亡くなってしまいました。

 早逝の芸術家リュドヴィク・ペナンは1870年代からアール・ヌーヴォーに至る時代を知らずに亡くなったわけですが、リュドヴィク・ペナンの作品は、三歳年上の同郷の芸術家ジャン=バティスト・ポンセ (Jean-Baptiste Poncet, 1827 - 1901) の手によっていわば「現代化」され、1870年代以降においても愛され続けました。ジャン=バティスト・ポンセは画家でもあり、メダイユ彫刻家でもある人で、ペナンに比べて都会風に洗練された典雅な作風が特徴です。ペナンの没後にポンセが手を加えて「現代化」した作品は、信心具としてのメダイによく見られ、"PENIN PONCET", "P P LYON" 等、ふたりの名前が併記されています。本品には "PENIN PONCET" の署名が見られます。

 本品はフランスを代表するメダイ彫刻家の手によるだけあって、両面の聖母子とも申し分なく非常に美しく表現された作品です。表面の突出部分に、磨耗による銀メッキの剥落が見られますが、細部に崩れはありません。この程度の摩耗は真正のアンティークならではの趣(おもむき)として楽しんでいただけることと思います。





本体価格 15,800円 販売終了 SOLD

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