稀少品 ブーローニュの聖母 グラン・ルトゥール記念 聖母に心を捧げるメダイ 直径 18.7 mm


突出部分を除く直径 18.7 mm

フランス  1943 - 1947年



 西暦636年頃、英仏海峡に面した北フランスの町、ブーローニュ=シュル=メールに出現した「ブーローニュの聖母」のメダイ。マリアの聖地としては、1858年以降、ルルドが有名になりましたが、それ以前はブーローニュ=シュル=メールが、フランスのみならず世界で最もよく知られた聖母マリア出現の巡礼地でした。





 メダイの一方の面には、帆も櫂も無い小舟に乗った聖母子「ブーローニュの聖母」の姿が、立体感ある肉厚の浮き彫りで表されています。聖母子は共に戴冠しています。聖母は左腕に幼子イエスを抱いています。 幼子イエスは左手にグロブス・クルーキゲルを持ち、右手を挙げて世の人々を祝福しています。「グロブス・クルーキゲル」(GLOBUS CRUCIGER ラテン語で「十字架付きの球」)とは全宇宙を表す球体の上部に十字架を立てたもので、イエスがこれを持つ姿は、「キリストが宇宙の支配権を有する」ということを表します。ブーローニュの聖母に執り成しを求めるフランス語の祈りが、小舟の聖母子を取り巻くように刻まれています。

  Notre-Dame de Boulogne, priez pour nous.  ブーローニュの聖母よ、我等のために祈りたまえ。





 1477年、アルトワ伯からブーローニュを譲られたフランス王ルイ11世は、剣も帽子も着けずにブーローニュの聖母像の前に跪き、重量2000エキュの金で出来た心臓を捧げました。またルイ11世は、将来即位するフランス国王たちが同様の捧げ物をするように定めました。しかしルイ11世の約束は果たされず、フランス革命期の 1793年、「ブーローニュの聖母」はついに焼却されてしまいます。

 聖母は右手に心臓を持っています。この心臓はルイ11世が約束した金の心臓です。「悔悛のガリア」の時代を経て、第二次世界大戦により再び荒廃を経験したフランスの人々は、改めて聖母にフランスを奉献しようとしました。グラン・ルトゥールの聖母が左手に持つ心臓は、フランスの信仰心の証しです。

 本品の浮き彫りは極めて良好な保存状態で、制作当時のままの状態を残しています。上の写真に写っている定規のひと目盛は 1ミリメートルです。聖母子の顔や冠はいずれも 1ミリメートルほどのサイズで、フランスで制作されたメダイユ彫刻ならではの細密さに圧倒されます。本品の材質はブロンズに銀めっきを施したものですが、聖母が左手に持つ心臓はわずかに突出しているため、この部分の銀めっきが落ちて、奇しくも「金の心臓」になっています。




(上・参考図像) 「グラン・ルトゥールの聖母」 多色刷り石版による1940年代の小聖画 当店の商品です。


 1943年から 1948年にかけて、「ノートル=ダム・ド・ブーローニュ」を象(かたど)った四体の聖母子像がフランス全土を巡回し、平和の回復と捕虜の帰還を祈るとともに、神への立ち返り、回心を呼びかけました。このときフランス全土を巡った「ノートル=ダム・ド・ブーローニュ」は、「ノートル=ダム・デュ・グラン・ルトゥール」(Notre-Dame du Grand Retour 大いなる回復の聖母)と呼ばれています。

 全フランスの町や村では、「ノートル=ダム・デュ・グラン・ルトゥール」を地元に迎えて熱狂しました。大人や若者たちは裸足になって聖母の台車を牽き、子供たちはその周りを歩き、女性たちも沿道に出て、住民総出で聖母子像を迎えたのです。フランス本土における「ル・グラン・ルトゥール」は 1947年に終了しましたが、四体の「ノートル=ダム・デュ・グラン・ルトゥール」がそれまでに立ち寄った場所は 88司教区の 16,000教区、その行程は12万キロメートルに及びました。聖母像は行く先々で祈りと熱狂を以って迎えられ、回心をもたらし、奇蹟を起こしました。





 メダイの裏面にはクルシフィクスが浮き彫りにされ、背景にフランス語で「ル・グラン・ルトゥールを記念して」(En souvenr du Grand Retour) と記されています。これは「グラン・ルトゥールの聖母」(ブーローニュの聖母)がフランス各地を訪れた際の行列用クルシフィクスで、基部に固定用の金具が見えます。

 聖母が出現した巡礼地のメダイは、ルルドのものが圧倒的多数を占めます。1858年のルルドにおける聖母出現は、19世紀におけるフランス・キリスト教界最大の出来事であり、これまでに数多くのメダイが作られたのも頷(うなず)けます。ルルドに聖母が出現する以前は、ブーローニュこそがフランス最高の聖地であり、中世から19世紀前半まで千年以上の歴史を誇る聖母マリアの大巡礼地でした。それにも関わらず、「ブーローニュの聖母」のメダイはルルドのメダイに比べて驚くほど少なく、ほとんど手に入りません。

 ブーローニュの聖母がフランス全土を巡った「ル・グラン・ルトゥール」は、1940年代の精神史に残る大きな出来事であったゆえに、数多くのメダイが残されていてもよさそうなものですが、「ル・グラン・ルトゥール」を記念する小聖画が比較的手に入り易い反面、メダイはほとんど見つかりません。「ル・グラン・ルトゥール」を記念するメダイの制作点数は、おそらく非常に少なかったのでしょう。





 上の写真に写っている定規のひと目盛は 1ミリメートルです。キリストの顔は直径 1ミリメートルほどですが、目鼻がきちんと造形され、体と四肢の骨格や筋肉も大型の彫刻作品に劣らない正確さで再現されています。





 本品は70年近く前のフランスで制作された真正のヴィンテージ品ですが、保存状態は非常に良好です。聖母の衣の襞や王冠、心臓、裏面のキリストやクロスの固定金具等の細部までよく残っており、美しいパティナ(古色)に覆われています。商品写真は面積を数十倍に拡大していますが、突出部分にも磨滅はほとんど認められません。

 突出部分を除くメダイの直径は 18.7ミリメートルで、直径20ミリメートルの一円硬貨に近く、ペンダントとしてご愛用していただき易いサイズです。「グラン・ルトゥールの聖母」は遠い世界の事柄のように思えるかもしれませんが、本品は聖母に金の心臓すなわち心を捧げることをテーマに制作されているのであり、現代の日本に住む我々にとっても意味深いメダイとなっています。





13,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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