列福前後の大型メダイ 《幼きイエスのテレーズ修道女》 32.6 x 23.3 mm 愛の薔薇を主題とした作例 フランス 1920年代前半


突出部分を含むサイズ  32.6 x 23.3 mm



 薔薇が咲きこぼれるクルシフィクスを抱くリジューのテレーズのメダイ。本品の意匠は 1923年の列福以前に描かれた肖像画に基づきます。元の肖像画が描かれた正確な時期を筆者(広川)は知らないのですが、この肖像画に基づくマリ=ベルナール修道士の丸彫り像が 1922年に制作されています。

 テレーズは 1925年に列聖され、以後の信心具では肖像に後光を伴います。しかるに本品メダイのテレーズは後光を有しません。それゆえ本品メダイは 1925年以前に制作されたものであることがわかります。ただし表裏の意匠とも様式化が進んでいるゆえに、本品の製作年代は極端に古くはなく、1920 - 1924年頃と考えられます。





 表(おもて)面には修道女テレーズの半身を浮き彫りにしています。テレーズはカルメル会の茶色の修道衣、薄茶色のマント、白のウィンプル、黒の頭巾を身に着け、眼差しを真っ直ぐに神へと向けています。聖女はあたかも幼子を抱くかのように愛しげに、クルシフィクスを胸に抱いています。受難の象徴であるクルシフィクスは咲きこぼれる薔薇に埋もれています。この薔薇は十字架上の受難において極点に達し、聖女の魂に照り映える神の愛の形象化であると同時に、あたかも力学的な反作用のように、聖女の魂のうちに芽生え、実を結んで神へと向かう愛の形象化でもあります。

 テレーズは一介の修道女としてカルメル会会則に従い、従順、貞潔、清貧を心から喜んで、イエスへの愛に生きました。神の愛に焼かれ、イエスへの愛に地上の生を燃やし尽くしたのです。テレーズは世人を驚かせるような出来事や奇跡によらず、神と隣人への愛の行ないを小さな花のように咲かせることにより、周囲の人々の魂を少しずつ神へと向けてゆきました。本品のグラヴール(仏 graveur メダイユ彫刻家)は写実的な大輪の薔薇を聖女の頭上に咲かせることにより、小さき花テレーズが地上に咲かせた大きな愛を形象化しています。





 裏面には表(おもて)面と同様に大輪の薔薇をあしらい、地上に向けて天から降り注ぐ薔薇の雨、すなわち神が地上に注ぎ給う愛の恩寵を、象徴的な浮き彫りによって表しています。メダイ下部の盾形は、跣足カルメル会の紋章です。図像の周囲に、テレーズの言葉をラテン語で記しています。

  ROSARUM IMBREM E CŒLO EFFUNDAM.  私は天から薔薇の雨を降らせましょう。


 リジューのテレーズはたいへん人気のある聖女で、たくさんのメダイが作られていますが、本品はその中でも最も大きな作例の一つです。特に薔薇の雨をあしらったメダイに関して、筆者は本品よりも大きなものを見たことがありません。





 上の写真は本品を男性店主の手に乗せて撮影しています。女性が実物をご覧になれば、写真に比べてもうひと回り大きく感じられます。





 下記は本体価格です。本品は百年近く前のフランスで制作された真正のアンティーク品ですが、古い物であるにもかかわらず、良好な保存状態です。突出部分の銀色のめっきが剥がれて、温かみのある真鍮の色が露出し、歳月を経た作品のみが備える重厚な古色を獲得しています。実物は写真で見るよりもはるかに美しく、特筆すべき問題は何もありません。





7,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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