(下) 標準的なサイズのメダイとの比較。 左端は本品(実物大 41.8 x 22.6 mm)。中上はルルドのメダイ。中下は不思議のメダイ。右端は聖ロックのメダイ





リュドヴィク・ペナン作 ルルドの聖母と聖ロック モンペリエ司教区巡礼団のメダイ 41.8 x 22.6 mm


突出部分を含むサイズ 縦 41.8 x 横 22.6 mm

フランス  1860年代頃



 ルルド巡礼団のブロンズ製大型メダイ。ロマネスク彫刻によく見られる紡錘形の光背(マンドーラ)を象(かたど)ります。聖ロックの出身地である南フランス、モンペリエ司教区のもので、一方の面にルルドの聖母を、もう一方の面に聖ロックの姿を、それぞれ浮き彫りにしています。





 ルルドの聖母は腕にロザリオを掛けて立ち、胸の前に両手を合わせて、天を仰ぐように斜め上方を見上げています。これは1858年3月25日、16回目の出現の際に、ベルナデットに4度続けて名を問われ、「わたしは無原罪の御宿りです」と答えたときの聖母の姿です。聖母像を取り囲むように、「モンペリエ司教区からの巡礼」(PERELINAGE DU DIOESE DE MONTPELLIER) とフランス語で記され、アンティーク・ファイン・ジュエリーに施される彫金細工「ミル打ち」を模したパターンが、その外側を取り巻いています。





 もう一方の面には、中世以来ヨーロッパで最も人気がある聖人のひとり、聖ロックと、聖人を見上げる愛犬ロケの姿が浮き彫りにされています。聖ロックは巡礼者の守護聖人であり、また伝染病から守ってくれる守護聖人でもあります。ルルドに巡礼するモンペリエの人々は、外套を身に着けて頭陀袋を提げ、杖を持った巡礼姿の聖ロックに加護と祝福を求めるとともに、あたかも共に旅する仲間であるかのような親しみを覚えたことでしょう。

 このメダイが制作された19世紀中頃から後半にかけての時代には鉄道網が整備され、巡礼の旅は以前ほど危険な事ではなくなりましたが、伝染病が多数の人命を奪う状況は昔と変わらず、フランスでも数次に亙るコレラの流行で、大きな人的被害が出ました。わが国で聖ロックのメダイを目にすることはめったにありませんが、当時のフランスの人々が聖ロックに頼る気持ちは、伝染病によって命が常に危険にさらされている人々の切実な祈りそのものでした。聖人の周囲に、次の言葉がフランス語で刻まれています。

  Saint Roch, priez pour nous.  聖ロックよ、我らのために祈りたまえ。

 また、これよりも小さな文字で「リヨン、ペナン」(PENIN, LYON) と記されており、このメダイがリヨンの彫刻家リュドヴィク・ペナン (Ludovic Penin, 1830 - 1868) の作品であることがわかります。

 このメダイはおよそ150年前のフランスで制作された品物ですが、突出部分に軽い摩耗が見られる程度で、細部まで原状を留めています。商品写真は実物を数十倍の面積に拡大していますので、わずかな摩耗がよく判別できますが、実物を肉眼で見ると、十分に良好なコンディションです。





本体価格 11,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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