幼子イエズスを背負う聖クリストファー ロカマドゥールの聖母 直径 25.2 mm


突出部分を除く直径 25.2 mm

フランス  20世紀前半



 表(おもて)面にロカマドゥールの聖母、裏面に幼子イエズスを背負う聖クリストファーを刻んだ珍しいメダイ。聖クリストファー、ロカマドゥールの聖母とも多くのメダイ作品に取り上げられていますが、このふたつの組み合わせはあまり目にすることが無く、稀少な品といえます。おそらくロカマドゥールを訪れる巡礼者が無事に帰れるようにとの願いを込めて製作されたと考えられます。それぞれの面の彫刻は非常に優れた出来栄えです。





 表(おもて)面には中央にロカマドゥールの聖母子を浮き彫りにし、周囲にフランス語で「ノートル=ダム・ド・ロカマドゥール(ロカマドゥールの聖母)」(Notre-Dame de Rocamadour) と記しています。ノートル=ダム・ド・ロカマドゥールはクルミ材に刻まれた中世の黒い聖母で、12世紀以来、数多くの巡礼者を集めてきました。高さ 76センチメートルとそれほど大きくありませんが、見る者に畏怖の情を起こさせる迫力を持っています。


(下) 参考画像 ノートル=ダム・ド・ロカマドゥール




 しかしこのメダイに表されたロカマドゥールの聖母子は、なんと親しみやすい姿をしていることでしょうか。母子が互いに見つめ合うことなく正面を向く体勢は実際の聖母子像と同じですが、女性らしい丸みを帯びた聖母は身近にいる生身の女性のようですし、幼子イエズスはというと、幼太りの顔をこちらに向けて、母の膝にちょこんと腰かけています。その様子はどこにでもいるフランス人の男の子のようで、オーバーオールを着て、左手にビスケットか何かを持っているようにさえ見えます。

 半ば恐ろしげにさえ見える中世の聖母子像を、微笑ましい母子の姿に変えてしまうのは、この作品を彫ったメダイ彫刻家の、職人としての腕のみにとどまらない優れた芸術的センスが為せる技といえましょう。





 裏面に刻まれているのは、ヤコブス・デ・ヴォラギネの聖人伝、「レゲンダ・アウレア」("LEGENDA AUREA") に収録された聖クリストファーの伝承です。怪力無双の大男である渡し守クリストファーは、幼い男の子を肩に載せて河を渡り始めたのですが、途中で男の子があまりにも重くなったので、腰をかがめて杖にすがり、問いかけるように肩の上の男の子を見上げています。肩の上の男の子は、全宇宙の支配権を示すグロブス・クルーキゲル(世界球)を左手に持ち、右手で天を指さして、自分が天地の造り主、神なる幼子イエズス・キリストであることを宣言しています。

 幼子イエズス・キリストの威厳ある表情と姿勢、驚くクリストファーの様子とも、秀逸な出来栄えです。

 このメダイは 20世紀中頃以前のものですが、摩耗はほとんど無く、すばらしいコンディションです。サイズも大きく、立派な作例です。





本体価格 12,800円 販売終了 SOLD

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