(下) 男性の手に本品を載せたところ。女性が手に取ると、これよりも大きく感じられます。





「サント・マリ、われらの嘆きを花に変え給う御方がたよ…」 カマルグのサント・マリ 聖マリア ベル・エポックの美麗ブローチ 28.7 x 28.7 mm


フランス  20世紀初頭



 フランス語で「ロブ」(lobe) あるいは「カドリロブ」(quadrilobe) と呼ばれる四つ葉形と、百合またはアヤメを象(かたど)った「フルール・ド・リス」(fleur de lys) を組み合わせたブローチ。一重咲きの薔薇二論と八重咲きの薔薇一輪の組み合わせを四組、合わせて十二輪の薔薇で取り囲み、透かし細工を施しています。





 円形メダイには、帆も舵も無い小舟に乗り、パレスティナを脱出してカマルグに上陸したと伝えられるふたりの聖マリア(マリア・ヤコベとマリア・サロメ)、侍女サラ、天使が浮き彫りにされています。真中に立っているのがマリア・ヤコベとマリア・サロメ、向かって左端の小柄な人物が聖女たちに仕える少女サラ、櫂を手にしているのが天使です。メダイの表面は突出部分に磨滅が認められますが、美しく均整が取れた聖女たちの姿はよく残っています。胸のふくらみや腰のくびれ、丸みを帯びてしなやかな体つきはあくまでも女性らしく、上衣の刺繍、マントの留め金と刺繍、女性らしくほっそりとした手指等の細部まで巧みに表現されています。

 サント・マリ(ふたりの聖マリア)の右上方から射す光は、聖女たちによって南仏プロヴァンスにもたらされた神の恩寵、キリストの福音を表しています。聖女たちの周りに、次の言葉がフランス語で刻まれています。

  Saintes Maries, priez pour nous.  サント・マリ(ふたりの聖マリア)よ、我らのために祈りたまえ。





 四つ葉形の中央に直径16ミリメートルの円形メダイを配し、外向きのフルール・ド・リスと透かし細工で取り囲んだデザインは、光り輝くギリシア十字のようにも見えます。ギリシア十字であれラテン十字であれ、十字架は愛の象徴です。「フルール・ド・リス」は三枚の花弁によって三位一体を表すとともに、古来フランスを象徴する紋章でもあります。周囲に彫られた薔薇は愛を象徴するとともに、カマルグを謳ったフレデリック・ミストラル (Frederic Mistral, 1830 - 1914) の詩の一節、「サント・マリ(聖なるふたりのマリア様)、われらの嘆きを花に変え給う御方がたよ…」("O Santi Mario que poudes en flour chanja nosti plour....") を思い起こさせます。





 本品はおよそ百年前、20世紀初頭にフランスで制作された真正のアンティーク品ですが、突出部分の磨滅はごくわずかで、ブローチとしての機能も完全です。ブローチ全体は美しいパティナで均一に被われています。第一次世界大戦を前にして、フランスに華やかな文化が栄えた「ベル・エポック」の雰囲気を今に伝える可憐なジュエリーです。





8,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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