ピエタ 嘆きの聖母 (版元不詳)
Notre-Dame de Pitié, éditeur inconnu
110 x 65 mm
フランス 19世紀後半
19世紀末のフランスで製作された聖母マリアのカニヴェ。聖画をリトグラフ(石版画)で制作し、周囲の透かし部分に幅広の金彩を施しています。
聖画に描かれているのは、十字架から降ろされたイエズス・キリストの体を膝の上に抱いて悲しむ聖母の姿です。フランス語で「嘆きの聖母」(Notre-Dame
de Pitié)、イタリア語で「ピエタ」(pietà) と呼ばれるこの図像は、1320年代から40年代のドイツで制作が始まった「ヴェスパービルト」(単数形
Vesperbild, 複数形 Vesperbilder)に起源を有します。古い年代のピエタ(ヴェスパービルト)は母子のみの像ですが、後にアリマタヤのヨセフやマグダラのマリア、当該像の寄進者なども加えた群像となります。このカニヴェの「ピエタ」あるいは「嘆きの聖母」は、ミケランジェロが1499年に制作した「ピエタ」と同様、古い形式に回帰した母子の単独像として描かれています。
(下) Michel-Ange, Notre-Dame de Pitié, 1498 - 49, statue en marbre, 174 x 69 cm, Saint-Pierre du Vatican
カニヴェの裏面は何も刷られておらず、黒インクで次の言葉が書き込まれています。
Souvenir d'une amie, Madeleine ある友人からの記念のプレゼント マドレーヌより
マドレーヌはたいへん古風な名前で、現代の女性にマドレーヌという名前の人はまずいませんが、このカニヴェが制作された19世紀当時はごくありふれた女性名でした。そのためマドレーヌという名前は女性の代名詞のようにさえなっていて、私の友人(男性)は、幼い頃よく「女の子(マドレーヌ)みたいに泣くんじゃありません。」(Arrête
de pleurer comme une madeleine!) と叱られたそうです。このカニヴェの贈り主が自分のことを「ある友人」(une
amie) と呼んで、敢えてフルネームで署名していないのは、当時は大勢いた同名の女性たちのうち、どのマドレーヌからの贈り物であるかを受け取り手に当てさせようとしたのではないでしょうか。
本品は百年以上前のものですが、それほどまでに古いものとは俄かに信じがたいほど綺麗な状態です。たいへん稀少な完品です。
カニヴェのみの価格 14,800円
電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。
なお、木製フレームにベルベットを使用した額装を、手頃な価格で承ります。
下の写真の左側は、料金 14,700円(カニヴェは別売り)の高級額装の例です。額は日本製で、全工程を手作業で製作した高級品です。サンプルにはダーク・ブルーのベルベットを使用してみました。
下の写真の右側は、上質の写真立てを使った額装の例です。壁掛け式としても自立式としても使用できます。サンプルにはグリーンのベルベットを使用してみました。料金は
4,200円(カニヴェは別売り)です。
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額の種類と料金につきまして、詳しくはこちらをご覧くださいませ。
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