稀少な新品 純白の亜麻布にリュクスイユ製レースの縁取り 「イエスは世の光なり」 19 x 19 cm


フランス   20世紀前半



 真っ白な亜麻布をレースで縁取ったナプキンあるいはハンカチーフ。新生児の洗礼を祝う記念品です。青い小さなリボンが付いていることから、男の子用であることがわかります。今から数十年前の二十世紀前半に、フランス東部の町リュクスイユで作られたものですが、たいへん珍しいことに、セロファンと紙の袋に入ったまま、新品の状態で残っています。





 セロファンには花の形のステッカーが貼ってあり、「リュクスイユ・ヴェリターブル」(LUXEUIL VERITABLE フランス語で「真正のリュクスイユ製」の意)、「ウヴラージュ・マン」(OUVRAGE MAIN フランス語で「手作り品」の意)と記されています。

 リュクスイユ=レ=バン(Luxeuil-les-Bains ブルゴーニュ=フランシュ=コンテ地域圏オート=ソーヌ県)はスイスに近いフランス東部の町です。「レ・バン」はフランス語で温泉のことですが、リュクスイユ=レ=バンはその名が示す通り、全仏に良く知られた温泉地です。十九世紀半ば、当時のフランス皇帝ナポレオン三世夫妻が湯治のためにこの地を訪れました。その際、皇后ウジェニーには当地のレース職人が作った日傘が、またウジェニーの姉であるスペイン王女マリア・フランシスカ・デ・サレスには、同じく刺繍を施したローブが献上されたのですが、これらの品の美しさが評判となり、リュクスイユのレース産業は大いに繁栄しました。リュクスイユのレースは第一次大戦を境に衰退しますが、伝統技法の継承を目的として、1978年に技術学校が設立されています。





 本品は純白の亜麻布でできています。白は無垢すなわち罪の無い清らかさを象徴するゆえに、古代以来のキリスト教会で最も愛用されてきた色です。盛期中世、教皇権の絶頂期に在位したインノケンティウス3世 (Innocentius III, 1160 - 1198 - 1216) は、「祭壇の聖なる秘蹟について」("De sacro altaris mysterio") 第1巻64章「日々が有する特性に従って祭服が区別される基となるべき四つの主要な色について」("De quatuor coloribus principalibus, quibus secundum priprietates dierum vestes sunt distinguendae") で、白について次のように書いています。日本語訳は筆者(広川)によります。意味を取り易くするために補った語は、ブラケット [ ] で囲みました。

    Quatuor autem sunt pricipales colores, quibus secundum priprietates dierum sacras vestes Ecclesia Romana distinguit, Albus, Rubeus, niger & viridis.    ところで、ローマ教会は日々が有する特性に従って祭服を区別しているのであるが、かかる区別は四つの主要な色、すなわち白、赤、黒、緑による。
        (中略)
    ... Albis induitur vestimentis in festivitatibus Confessorum et Virginum. Rubeis in solennitatibus Apostolorum et Martyrum. Hinc sponsa dicit in Canticis, Dilectus meus candidus et rubicundus, electus ex millibus. Candidus in Confessoribus et Virginibus, rubicundus in Martyribus et Apostolis. Hi et illi sunt flores rosarum et lilia conuallium. Albis indumentis igitur utendum est in festivitatibus Confessorum et Virginum, propter integritatem et innocentiam.    白い衣は、証聖者たち及びおとめたちの祝いに着用され、赤い衣は使徒たち及び殉教者たちの祭儀に着用される(註3)。このことゆえに、さまざまな賛歌において、[神の]花嫁[である教会]は、「多くの人々の中から選ばれた『白い』至福者、『赤い』至福者(註4)」と言っているのである。[神に愛される聖人は、]証聖者たち、おとめたちに含まれるならば白く、殉教者たち、使徒たちに含まれるならば赤い。後者は薔薇の花、前者は百合の花である。したがって証聖者たち及びおとめたちの祝いには、その純潔と無垢のゆえに、白い祭服を使うべきである。


 「証聖者」(羅 CONFESSOR/CONFESSORES)とは男女を問わず諸聖人のこと、「おとめ」(羅 VIRGO/VIRGINES)とは処女である聖女のことです。本品は祭具でも祭服でもありませんが、無垢なる幼子の洗礼記念にふさわしい色として、純白の亜麻布が使われているのです。





 本品はポケット状になるように折りたたんだ状態で、糸を使って台紙にしつけられています。しつけ糸を切って台紙から外すと、一枚のナプキンまたはハンカチーフになります。しつけた状態でポケット状になっている部分には、多色刷り石版による小聖画が差し込まれています。小聖画は三色のインクと金彩に彩られ、中世の祈祷書マニュスクリプトを模したゴシック典礼体で、次の言葉が記されています。

  Voici la lumière du monde.  われは世の光なり。

 「われは世の光なり」は、「ヨハネによる福音書」 8章に記録されているイエス・キリストの言葉です。「ヨハネによる福音書」 8章は 1節から11節で「姦淫を犯した女」の話を記録し、続く12節に次のように記しています。

  イエズスはまた、人々に、「私は世の光である。私にしたがう人はやみの中を歩かず、命の光をもつであろう」とお話しになった。(ドン・ボスコ社の口語訳)





 この小聖画は数十年前のフランスにおいて製作されたものです。手作業によるレース細工は非常に丁寧で、石版画も美しく仕上がっています。未使用のアンティーク品は非常に珍しいですが、本品は台紙にしつけられ、当時の袋に入ったままの新品です。保存状態は極めて良好で、特筆すべき問題は何もありません。畳んだ状態のまま台紙から外して額装することもできます。





11,800円

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