石版画 「マルグリット=マリによる主イエス・キリストの聖心」 原画の写しと聖心への祈り (ブアス=ルベル 図版番号不明)


中性紙にクロモリトグラフィ


額のサイズ  縦 24 x 横 19.5センチメートル  厚さ 3.5センチメートル

聖画のサイズ  縦 111 x 横 69ミリメートル


フランス  20世紀前半



 イエス・キリストの聖心に対する信心を広めたことで知られるフランスの聖女、マルグリット=マリ・アラコック (Ste. Marguerite-Marie Alacoque, 1647 - 1690) に関連する小聖画。紙の色は写真では白に見えますが、実際には温かみのあるクリーム色の中性紙で、聖心の絵、文字とも石版画によって刷られています。額は日本製で、熟練したフレーム職人が手作りした高級品です。





 表(おもて)面の最上部、及び聖心の絵を囲む四隅には、次の言葉がフランス語で書かれています。

 copie de l'image du Sacré-Cœur de Notre Seigneur Jésus-Christ d'après Sainte Marguerite-Marie Alacoque     聖マルグリット=マリ・アラコックによる主イエス・キリストの聖心の絵を写したもの 
     
 et de l'acte de consécration fait par elle et écrit de sa main - Envoyé par elle le 15 Septembre 1686 au Monastère de Moulins. Les originaux se conservent au Monastère de Nevers.    ならびに、聖マルグリット=マリ・アラコックが作り、聖女自らが書き記した献身の祈りの写し --- 1686年 9月 15日に、聖女自身により、ムーラン修道院に送られたもの。原本はヌヴェル修道院に保存されている。






 聖マルグリット=マリ自身が描いた聖心は、中央部に大きな槍傷が開き、ラテン語で「カリタース」(CHARITAS 愛)と書かれた傷口からは、おびただしい血が流れています。炎のように激しい愛は、十字架を突き立てた上部からのみならず、聖心全体から噴き上がっています。イエスの聖心を取り巻く数多くの小さなハート形は、キリスト者たちの心臓でしょうか。その外側を取り巻く黄色あるいは金色の三重線上にも、幾つかの小さな心臓が描かれています。





 表(おもて)面の下半分と裏面全体には、丁寧で読みやすい聖マルグリット=マリの筆跡で、17世紀のフランス語による祈りが写されています。祈りの全文を下に示します。日本語訳は筆者(広川)によります。

 17世紀のフランス語と現代のフランス語は、語順と綴りが少し異なります。下の引用において、語順は原文のままとし、綴りのみ現代式に改めました。原文のままでは意味が分かりにくい部分があるので、現代フランス語の語法及び表記法に合わせて、四か所のテキストを修正しています。修正箇所はブラケット [  ] で囲って示しました。


consécration au sacré cœur de Jésus-Christ   イエス・キリストの聖心への献身
     
.Je, n. n., me donne et consacre [au] Sacré-Cœur de Notre Seigneur Jésus-Christ, ma personne et ma vie, mes actions, peines et souffrances, pour ne plus me servir d'aucune partie de mon être que pour l'aimer, honorer et glorifier.  私、......(自分の名前を挿入)は、自分自身を、すなわちわが身、わが命、わが行ない、痛み、苦しみを、救い主イエス・キリストの聖心に捧げ、奉献いたします。それは今後、私が、イエス・キリストの聖心を愛し、崇め、讃えるため以外に、自分自身の存在の如何なる部分も役立てないようにするためです。
 C'est ici ma volonté irrévocable que d'être toute à Lui et faire tout pour son amour, en [renonçant] de tout mon cœur à tout ce qui lui [pourrait] déplaire.    私は全身全霊をイエス・キリストの聖心に捧げ、すべてのことを聖心の愛のために為し、聖心に喜ばれないかもしれないあらゆることを、わが心から捨て去ります。私のこの意志は、今後も決して変わりません。
     
 Je vous prends donc, ô Sacré-Cœur, pour l'unique objet de mon amour, le protecteur de ma vie, l'assurance de mon salut, le remède à mon inconstance, le réparateur de tous les défauts de ma vie et mon asile assuré à l'heure de ma mort.    イエス・キリストの聖心よ。それゆえ私はわが愛をただ御身にのみ向かわせます。わが命の守り手、わが救いの保証、揺るぎ易きわが魂の癒し、わが生のあらゆる過ちの贖い主にして、死に際しての確かなる避け所よ。
 Soyez donc, ô Coeur de bonté, ma justification envers Dieu le Père, et détournez de moi les traits de sa juste colère. O Coeur d'amour! je mets toute ma confiance en vous, car je crains tout de ma faiblesse, mais j'espère tout de votre bonté.    優しき御心よ。それゆえ父なる神の御前にて、私を庇(かば)い給い、神の義なる怒りから逃れさせ給え。愛の御心よ。私はすべてを御身に委ねます。私は自分の弱さを知っていますが、御身がその優しさを以てすべてを与え給うと分かっているからです。
 Consommez donc en moi tout ce [qui] vous peut déplaire ou résister, et que votre pur amour s'imprime si avant dans mon cœur que jamais je ne vous puisse oublier, ni être séparée de vous, que je conjure, par toutes vos bontés, que mon nom soit écirt en vous, puisque je veux faire consister tout mon bonheur de vivre, et mourir, en qualité de votre esclave.    それゆえ、御身が嘉(よみ)し給わないもの、御身に逆らうものが、私の内にあるならば、それを燃やし尽くしてください。私が御身を忘れることが決してないように、また御身から離れることがないように、御身の混じりけ無き愛を、私の心に刻印してください。御身の優しさゆえに、どうかお願いいたします。御身のうちに私の名を書き記してください。私は御身のしもべとしてこそ、喜んで生き、喜んで死にたいのです。



 この祈りを唱える人に対しては、1897年4月1日、レオ13世により、煉獄にある魂のために、三百日間の免償が与えられました。またひと月のあいだ毎日この祈りを唱える人に対しては、1908年4月21日、ピウス10世により、月に一度、煉獄の魂のための全免償が認められました。





 本品はおそらく八十ないし九十年前にフランスで制作された真正のアンティーク紙製品ですが、たいへん良好な保存状態です。良質な中性紙に刷られていますので、紙自体が劣化することは今後もありません。下の価格には、小聖画に加えて、額、ベルベットを張ったマット、工賃、税が含まれます。

 写真ではベルベットの色がきれいに見えませんが、実際は鮮やかで高級感のあるバーガンディ(ワイン・レッド)です。ベルベットの色は変更できます。額の変更はご相談ください。





本体価格 18,900円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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