「我信ず。我はキリスト者なり」 日々受難し給う救い主のクルシフィクス 46.8 x 27.3 mm


突出部分を含むサイズ 縦 43.8 x 横 25.8 mm

フランス  1860 - 70年代



 19世紀半ば、わが国で言えば幕末から明治初年頃のフランスで制作されたブロンズ製クルシフィクス。クロスはシンプルなラテン十字で、透かし彫り等、手の込んだ装飾はありません。十字の先端が少し広がり、視覚的安定感を増しています。





 コルプス(キリスト像)は打刻による浅浮き彫りで表されています。背景からの突出は数分の一ミリメートルに過ぎませんが、ごくわずかの凹凸によって、人体の骨格や筋肉が巧みに表現されています。

 イタリアのピザネッロ (Pisanello, Antonio di Puccio Pisano ou Antonio di Puccio da Cereto, c. 1395 - c. 1455) が創始したメダイユ芸術は、フランスで開花しました。ピザネッロ自身の作品もそうですが、19世紀半ばまでのメダイユ彫刻は、主題となる人物像を背景から大きく突出させることで三次元性を表現していました。しかるに19世紀半ば以降のフランスでは、物理的な突出に頼らずに三次元性を表現するメダイユ彫刻家が次々に現れました。本品のキリスト像も物理的な突出はほとんど無いにもかかわらず、生身の救い主を眼前に見るかのように優れた立体性を表現しており、フランスのメダイならではの芸術的水準に到達しています。

 わが国で「メダイ」と呼ばれている信心具のメダイユは、フランスのものが特に優れたできばえを示すことが多くあります。本格的な美術品であるフランスのメダイユの芸術性と制作技術が、信心具の小さなメダイユにも影響を及ぼしていることが、それらの事例からもよくわかります。





 裏面の縦木にはフランス語で「我信ず。我はキリスト者なり」(Je crois. Je suis chretien.) と打刻しています。交差部には聖体とカリス(聖杯)が彫られています。聖体はパンではなく「コルプス・クリスティ」(corpus christi ラテン語で「キリストの御体」)であり、カリスの聖血は葡萄酒でなく「サングイス・クリスティ」(sanguis christi ラテン語で「キリストの御血」)です。キリストは二千年前に一度だけ受難し給うたのではなく、いまもミサの度に受難されています。十字架交差部に彫られた聖体と聖杯は、キリスト教におけるこのミステリウムを表しています。





 本品は百数十年前、「悔悛のガリア」時代のフランスで制作された真正のアンティーク品ですが、浅浮き彫りにも関わらず良好な保存状態です。商品写真は実物を大きく拡大していますので、突出部分のわずかな磨滅が判別できますが、肉眼で実物を見ると十分に良好な保存状態です。





9,500円 販売終了 SOLD

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